
これまでに観た「音楽映画・音楽をテーマにしている映画」を全作品レビューしてます。
最初、全作品この記事にまとめてたんですが、50作品/2万字を超えてきたので次の6ジャンルに分類して記事を分けました。
- 音楽映画【殿堂入り作品】★当記事
- 音楽映画【邦画・フィクション編】
- 音楽映画【邦画・ドキュメンタリー編】
- 音楽映画【洋画・フィクション編】
- 音楽映画【洋画・ドキュメンタリー編】
- 音楽映画【ミュージカル編】☆準備中
この記事で挙げているのはジャンルを超えて特に良かった・オススメしたい「殿堂入り作品」です。
その他の作品名一覧と星評価も記事後半に記載してます。
各作品の「内容・レビュー」はリンク先の個別記事を参照ください。
評価、感想は主観的なものですが、参考にしてもらえたらと思います。
星4つ以上でも十分おすすめできるレベルです。
簡単な前置き
書いてる人間は30代♂。
好きな音楽は邦楽、洋楽問わずロック・ポップス系が多め。
個人的な偏りとしては、漫画チックな演出をする邦画はハマらない傾向があります。(「日々ロック」「うた魂」とか)
これから観る人向けの内容なので、あらすじ・レビューは簡単に。
ネタばれに注意しつつ、音楽映画なので重要じゃない程度なら書いてます。
音楽映画マイベストランキング【殿堂入り作品】
『セッション』
「これまで観た中で最高の映画は?」と聞かれたら即答する一本。
『セッション』作品情報
名門音楽学校で一流のジャズドラマーを目指すニーマンと鬼教師フレッチャーが繰り広げるスポ根チックな音楽青春ドラマ。第87回アカデミー賞では助演男優賞ほか計3部門を受賞。
出演 | マイルズ・テラー、J・K・シモンズ |
---|---|
監督 | デミアン・チャゼル |
公開 | 2014年 |
時間 | 107分 |
音楽ジャンル | ジャズ |
作品ジャンル | 洋画・フィクション |
受賞 | 第87回アカデミー賞助演男優賞 J・K・シモンズ 他 |
『セッション』あらすじ
アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、偉大なジャズドラマーを夢見て、アメリカで最高峰のシェイファー音楽学校に進学。名指揮者テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)に見込まれ、彼のバンドのドラマーとして指導を受けることになる。
願ってもいない環境を手に入れたニーマンだが、フレッチャーのレッスンは想像を超える厳しいものだった。それでも迷いなくドラムに打ち込むニーマン。しかし、次第に生活や人間関係、そしてドラマーへの道に暗雲が立ち込め始めるー。
『セッション』感想・レビュー
訓練シーンのあまりのスパルタぶりに、賛否両論も巻き起こした本作品。
個人的には純粋に楽しめたし、「音楽映画の中で」という括りなしで「人生で最高の一本」と断言できる内容だった。
終始、俳優陣の気迫や緊迫した空気感にのめり込み、圧巻のラストの余韻は観終わってからもしばらく消えなかった。
そして、余韻が消えぬ間もなく、もう一度鑑賞。
ものづくりに携わる人間として、隅々まで丁寧に作り込んでいる製作陣にも感服。
2度3度と観るごとに色々な製作上の工夫・配慮にも気づき、しみじみ感心させられた(計5回観た)。
とてもここでは感想を書ききれないので、「セッション」に関しては別記事も3つほど書いている。
『バックビート』
青春の全てがここに。ビートルズのもう一人のメンバーのストーリー
『バックビート』作品情報
『バックビート』はビートルズ初期のベーシスト、スチュアート・サトクリフの伝記的映画。スチュアートとジョン、スチュアートの恋人 アストリッドの関係性を中心に、知られざるビートルズのもう一人のメンバーの生涯が描かれる。
出演 | スティーヴン・ドーフ、イアン・ハート、シェリル・リー |
---|---|
監督 | イアン・ソフトリー |
公開/製作国 | 1994年/イギリス |
時間 | 100分 |
音楽ジャンル | ロック |
作品ジャンル | 洋画・ドキュメンタリー |
『バックビート』あらすじ
1960年のイギリス、リヴァプール。スチュアート・サトクリフは美術学校で絵画を専攻しながら、ジョンに誘われビートルズのベーシストとして活動していた。ドイツのハンブルクのライブハウスで巡業をし始めると、スチュアートは観客の中にいたドイツ人の写真家 アストリッド・キルヒヘルに心を奪われる。やがて2人は恋に落ち、スチュの心は次第にバンドから離れていくー。
『バックビート』感想・レビュー
ビートルズは昔から良さは分かるけどファンになれないバンド。そんな自分でも楽しめたし、演奏シーンもすごくよかった。
(ほとんどの曲は実際の演者でもビートルズの音源でもないらしい)
主役のスチュアートも惚れ惚れするほどカッコいい。軽やかで颯爽とした立ち振る舞いはまさに若き日のザ・ビートルズ。ヒロインのアストリッドも存在感がミステリアスでいちいち絵になる。
直情的で熱いジョンのキャラクターもアーティスティックな後年のイメージよりも遥かに好感が持てた。
ビートルズを取り巻く環境が一気に熱を帯びていく時代を背景に、恋愛、友情、夢、そんな若者の全てが鮮やかに描かれた映画だと思う。
蛇足だけど、説明がなくてもどの俳優がどのメンバーか一瞬で分かるのも凄い。
よくこんな似てる俳優が全員ちゃんと揃うものだなと感心する。
『ギター弾きの恋』
軽妙でユーモア溢れるタッチで描かれる、王道的人間ドラマ。
『ギター弾きの恋』作品情報
“世界で2番目”を自称する高慢なギタリスト、エメットと健気で純情なハッティの恋愛ストーリー。エメットが世界一と認める「ジャンゴ・ラインハルト」は実在するミュージシャンでジプシー・スウィングの創始者。
出演 | ショーン・ペン, サマンサ・モートン, ユマ・サーマン |
---|---|
監督 | ウディ・アレン |
公開/製作国 | 1999年/アメリカ |
時間 | 95分 |
音楽ジャンル | ジプシー・スウィング |
作品ジャンル | 洋画・フィクション |
『ギター弾きの恋』あらすじ
舞台は1930年代、ジャズ全盛期のシカゴ。ジプシージャズのギタリスト、エメット・レイ(ショーン・ペン)は傲岸不遜を絵に描いたような男だった。だが、ギターの腕は自他共に認める天才。ジャンゴ・ラインハルトを置いて自分を凌ぐ才能はないと自負していた。
ある日、エメットはツアー先で口のきけないハッティ(ユマ・サーマン)をナンパし、生活を共にするようになる。しかし、エメットはやがて自分に尽くしてくれたハッティの元を去る。そして新たに付き合い始めた美女ブランチと衝動的に結婚するがー。
『ギター弾きの恋』感想・レビュー
ドキュメンタリー風の演出やコメディっぽいキャラクター設定、ストーリー展開などがあり、面白いタッチの作品だった。
描き方は一捻り加えているけど、テーマはすごく素朴で普遍的。
王道のラブストーリーを真正面から描いていて、ラストは胸に迫るものがあった。
最大の見どころは主演2人のキャラクター。
憎たらしいけど憎めないエメットや、変だけど愛嬌たっぷりのハッティが魅力的だった。特にハッティのキャラは個人的にツボ中のツボ。
ろう啞のヒロインや喜劇的なタッチはどこかチャップリンの名作「街の灯」を彷彿とさせる。
もしかしたらある種のオマージュなのかもしれない。
『スクール・オブ・ロック』
エゴの力に感染させられる! 最低で最高のロックンロール・スター
『スクール・オブ・ロック』作品情報
落ちこぼれ中年ロッカー、デューイはコンテストで借金を返すため何故か子供たちとバンドを組み、ロックを教え込むことに。劇中歌にはクリーム、ドアーズ、T.Rexほか、古き良きロックナンバーが多数登場。
出演 | ジャック・ブラック |
---|---|
監督 | リチャード・リンクレイター |
公開/製作国 | 2003年/アメリカ |
時間 | 108分 |
音楽ジャンル | ロック・80〜90年代 |
作品ジャンル | 洋画・フィクション |
『SCHOOL OF ROCK』あらすじ
エゴの塊のようなギタリスト、デューイ(ジャック・ブラック)は身勝手な性格が原因でバンドをクビになってしまう。しかし、滞納してる家賃を支払うためにもコンテストに出場して賞金を手に入れたい。
そんな折、ディーイは偶然、同居人への教員の依頼の電話を受ける。背に腹をかえられない彼は給与のために身分を偽り、教員になりすまして小学校へと潜り込む。そして、生徒たちにロックを教えコンテストへの出場を果たそうと目論むがー。
『SCHOOL OF ROCK』感想・レビュー
『SCHOOL OF ROCK』は自分が絶賛するまでもなく、すでに不動の評価を得ている傑作。
絶対に面白いだろうと期待して観たら、その期待を超える面白さだった。
最初は見た目も中身も好感度ゼロ。ただのうだつの上がらない中年ロッカーだったデューイ。
そんなデューイがいつのまにか観客の心をわし掴みにしてしまっているのがこの映画最大のマジックだと思う。
作中流れるAC/DC、ディープパープル、レッド・ツェッペリンなどはあまりタイプのロックではない。
でも、映画の中ではすごく良く聴こえたのは、全身全霊でノっているデューイの力だろう。
ラストで披露するデューイと生徒たちのオリジナル曲も最高だった。
『ザ・ブルースブラザーズ』
ジェイク&エルウッドが巻き起こす超ド級ドタバタ・ミュージカルコメディ
『ザ・ブルースブラザーズ』作品情報
原作はアメリカの長寿番組「サタデー・ナイト・ライブ」(1975〜)の人気コーナー。ゴースト・バスターズのダン・エイクロイドと早逝した人気コメディアン、ジョン・ベルーシのコンビが織り成す痛快無比なミュージカル・コメディ。
出演 | ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、レイ・チャールズ、ジェームズ・ブラウン、アレサ・フランクリン、キャブ・キャロウェイ |
---|---|
監督 | ジョン・ランディス |
公開 | 1980年 |
公開/製作国 | 1980年/アメリカ |
作品ジャンル | 洋画・フィクション、ミュージカル |
音楽ジャンル | ブルース、R&B、ソウルミュージック |
『ザ・ブルースブラザーズ』あらすじ
兄のジェイク(ジョン・ベルーシ)は強盗による3年の刑期を終え仮出所し、弟のエルウッド(ダン・エイクロイド)と再会する。二人が育った養護院に訪れると、税金の滞納により立ち退きの危機にあっていた。教会でジェームス牧師の「説教」を聞いたジェイクは、バンド活動で金を作れば養護院を救えると閃く。
思い立った2人は早速かつてのメンバーを集めることに。しかし、2人が訪れる先々ではあらゆる災難と大混乱が待ち受けていたー。
『ザ・ブルースブラザーズ』感想・レビュー
感想を二言でまとめると、「とにかくスケールがデカい」、「荒唐無稽で痛快」。
ジェイクとエルウッドの想いはただ一つ。「音楽活動で養護院を救いたい」。
そんな善意しかない2人だが、なぜか警察に追われ、ネオナチと謎の女に命を狙われ、そして、行く先々でレイ・チャールズやアレサ・フランクリンといった伝説級のミュージシャン達と歌いまくる。
言葉じゃ全然伝わらないナンセンスな要素満載だが、だからこそ理屈抜きで楽しめる面白さがある。
クールでカッコいいジェイクとエルウッドのコンビも最高。
2人揃うとブラックミュージックのレジェンド達とも肩を並べるオーラを放ち、クライマックスで披露する「Everybody Needs Somebody to Love」はどんな名曲にも引けをとらない心躍らせる一曲だ。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
観る者を引きつけて止まない絶望までのストーリー
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』作品情報
アイスランドの歌姫、ビョークとデンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアー監督が描くダーク・ミュージカル。第53回カンヌ国際映画祭でビョークが主演女優賞、ラース・フォン・トリアーがパルム・ドールを受賞。
(ビョークはずっとアイルランド出身だと思ってたんだけど、「アイスランド」という初めて知った国の出身だった)
出演 | ビョーク |
---|---|
監督 | ラース・フォン・トリアー |
公開/製作国 | 2000年/デンマーク・ドイツ |
時間 | 140分 |
音楽ジャンル | エレクトロ |
作品ジャンル | 洋画・フィクション、ミュージカル |
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』あらすじ
主人公セルマ(ビョーク)は工場で働きながら息子と暮らしているシングルマザー。セルマは遺伝的に失明するという病気を抱えており、息子だけでも救いたいと手術費のために日々お金を貯めていた。
ある日、大家であるビルから金策の悩みを打ち明けられた彼女は自分の秘密(=失明すること、貯金していること)も教えてしまう。そして、失明しかけていたセルマはお金の隠し場所をビルに見られてしまいー。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』感想・レビュー
「暗い、重い、救いがない」の3拍子揃ってて、タイトル通りダークな作品。
「なんでわざわざ映画をみて、こんなに凹まないといけないのか?」と思わずにいられない。
それでも観始めたら、映像/登場人物/物語に吸い寄せられるように最後まで見入ってしまう。
普通なら単に「趣味が悪い」で片付けられそうな設定と展開なのに、そうなってないのは非凡としかいいようがない。
音楽シーンはビョークの音楽性と最高にマッチしていて、その点は純粋に素晴らしかった。
外見的にも内面的にもスペックの高いキャラクターではないのに、なぜかみんなに愛されているセルマ。
そこに説得力を感じるのもビョーク自身のもつ不思議な魅力ゆえだろう。
『ザ・コミットメンツ』
ソウルよりも熱い!「THE COMMITMENTS」の若者たちの青春群像劇
『ザ・コミットメンツ』作品情報
成功を夢見るアイルランド、ダブリンのバンド「THE COMMITMENTS」の奮闘の日々をコミカルかつ鮮やかに描く。監督は名匠アラン・パーカー。原作はロディ・ドイルの「おれたち、ザ・コミットメンツ」。
出演 | ロバート・アーキンズ、アンドリュー・ストロング |
---|---|
監督 | アラン・パーカー |
公開/製作国 | 1991年/イギリス・アイルランド |
時間 | 118分 |
音楽ジャンル | ソウル |
作品ジャンル | 洋画・フィクション |
『ザ・コミットメンツ』あらすじ
失業手当を受けて暮らすダブリンの若者、ジミー(ロバート・アーキンズ)は「真のソウルバンド」を作ることを夢見ていた。ジミーはマネージャーとしてメンバー集めに奔走。即席ながら確かな実力を持った11人が揃い、「ザ・コミットメンツ」を結成する。
メンバー間の小競り合いは絶えないものの、ライブを重ねるごとに注目を集める。ある日、メンバーのツテで人気シンガー、ウィルソン・ピケットと共演できることに。一躍脚光を浴びるチャンスだったが、なかなかライブ会場に現れないピケット。ジミーがしびれを切らす中、メンバーたちの軋轢は沸点に達しようとしていたー。
『ザ・コミットメンツ』感想・レビュー
とにかくライブシーンがスゴかった。
バラードの途中、観客が目を潤ませていたのは素なんじゃないかと思わされるくらい、純粋に音楽として圧倒された。
主人公のジミーは軽妙で食えない男だが、ソウルへの熱意は直球で語る。
そこも凄くカッコよかったし、ライブでの乱闘後、メンバー紹介のMCで場を沸かすアドリブも圧巻。
締め方もハッピーエンドとは言えないけど、製作陣のセンスが光る清々しいラストだった。
オーティス・レディングやウィルソン・ピケット、マーヴェレッツといったR&B、ソウル好きには間違いのない一本。
純粋に歌を聴かせるシーンが多いので、ジャンル的に好みじゃない場合は若干難があるかしれない。
『ジャージー・ボーイズ』
フォー・シーズンズの名曲が彩る普遍的人間ドラマ
『ジャージー・ボーイズ』作品情報
『ジャージー・ボーイズ(JERSEY BOYS)』は1960年代に人気を博した伝説のポップグループ「ザ・フォー・シーズンズ」の実話を元にした伝記映画。フォー・シーズンズはピンとこなくても代表曲「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off You)」は誰もが一度は聴いたことがある名曲。
出演 | ジョン・ロイド・ヤング、ヴィンセント・ピアッツァ、マイケル・ロメンダ、エリック・バーゲン |
---|---|
監督 | クリント・イーストウッド |
公開/製作国 | 2014年/アメリカ |
時間 | 134分 |
音楽ジャンル | ロック・ポップス |
作品ジャンル | 洋画・ノンフィクション |
『ジャージー・ボーイズ』あらすじ
1951年、ニュージャージーの貧民街で暮らすフランキー・ヴァリは夢や希望とはほど遠い生活を送っていた。トミー・デビートやニック・マッシらと窃盗に手を染めるような毎日だったが、トミー達のバンドにボーカルとして加入したことでヴァリの運命は変わり始める。
作曲ができるボブ・ゴーディオも加わり、レコード会社との契約を果たすと、1st single「シェリー」が全米チャート一位を獲得。その後も立て続けにヒットを連発し、フォー・シーズンズは押しも押されぬスターとなっていく。しかし、次々と降りかかるトラブルに次第にグループは崩壊しようとしていたー。
『ジャージー・ボーイズ』感想・レビュー
この映画で突出していると感じたポイントは2つ。
一つは「許されざる者(1992)」「ミリオンダラー・ベイビー(2004)」でアカデミー賞を受賞した巨匠クリント・イーストウッドの映画作りの実力。
普遍的で深い人間ドラマが丁寧に描かれていて、それだけで2時間弱見入ってしまうところに監督の力量をまざまざと感じた。
随所でメンバーが画面越しに観客に語りかけてくるトリッキーな演出や、ラストのみミュージカルで締めるという遊び心のある演出も気が利いていて、決まってる。
御年84歳でこのセンスは本当に凄い。
もう一つは、フランキー・ヴァリ役のジョン・ロイド・ヤングの歌唱力。
あまりにも歌が「俳優」の域を超えてると感じて、演奏シーンはプロの歌手の音源だと勘違いしていた。
そんな本家に全く引けを取らない歌声でフォー・シーズンズの名曲の数々が楽しめる。
『リンダリンダリンダ』
愛しい青春の1ページ。ブルハを歌う4人の女子高生たちのバンドムービー
『リンダリンダリンダ』作品情報
1985年に結成し、日本の音楽シーンに多大なインパクトを与えたパンクバンド、ザ・ブルーハーツ。そのブルハのメジャーデビューシングル「リンダリンダ」がモチーフとなっている作品。主演のペ・ドゥナは韓国からの留学生役で、劇中バンドの名前「パーランマウム」はハングル語で「青い心」。
出演 | ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear) |
---|---|
監督 | 山下敦弘 |
音楽 | ジェームス・イハ(元スマパン) |
主題歌 | 「終わらない歌」THE BLUE HEARTS |
公開 | 2005年 |
時間 | 114分 |
音楽ジャンル | パンクロック |
作品ジャンル | 邦画・フィクション |
『リンダリンダリンダ』あらすじ
舞台は地方都市の高校。文化祭の演し物のため、女子高生達がバンドを結成する。しかし、ボーカルが抜けることになってしまい、急遽韓国からの留学生ソン(ペ・ドゥナ)を入れることに。文化祭まで残り少ない中、4人はブルーハーツをコピーすることにして練習に励むがー。
『リンダリンダリンダ』感想・レビュー
主演のペ・ドゥナは大のブルハファンの自分がみても適役。
どこか言動が独特でチャーミングで、それがとても自然体で良かった。
全体的にはなんの変哲もない青春の1ページという感じ。
でも、キャラクター一人一人に味があって、普通の日常の一コマ一コマがすごくキラキラして眩しく感じた。
ある意味一番テンション上がったのは、「リンダリンダ」をカバーするキッカケのシーンにジッタリンジンの名前が出てきたこと。
自分は大のジッタファンでもあるので、ジッタ→ブルハの流れに無性に嬉しくなる。
ちなみに先生役はブルーハーツのボーカル、甲本ヒロトの実弟の俳優 河本雅裕が演じている。
『スワロウテイル』
イェンタウンに棲むイェンタウン達の儚くも美しい夢物語。
『スワロウテイル』作品情報
多くのコアなファンに支持される岩井俊二監督の長編第2作。人気シンガーcharaが主演し、劇中バンドYEN TOWN BANDが歌う「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」(1996)は実際にリリースされ、85万枚のセールスを記録した。
出演 | 奥野瑛太、駒木根隆介、水澤紳吾、斉藤めぐみ |
---|---|
監督・脚本 | 岩井俊二 |
音楽 | 小林武史 |
主題歌 | 「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」YEN TOWN BAND |
公開 | 1996年 |
時間 | 148分 |
音楽ジャンル | J-POP・ROCK |
作品ジャンル | 邦画・フィクション |
『スワロウテイル』あらすじ
名前のない移民の少女(伊藤歩)は娼婦の母を殺され、縁もゆかりもないグリコ(CHARA)の元に身を寄せることになる。グリコも円を求めて日本にやってきたイェンタウンの娼婦だった。
ある日、グリコは客ともみ合いになった拍子に死なせてしまう。仲間と共に死体を土に埋めようとしていると死体の体内からカセットテープが見つかる。男はヤクザの組員で「マイウェイ」が録音されたカセットテープには1万円札の磁気データが記録されていた。
ヤクザと上海流氓(りゅうみん)がカセットの行方を追う中、グリコ達は大量の偽札作りと換金に成功。大金を手に入れ、本格的に音楽活動を始めるために「YEN TOWN BAND」を結成するがー。
『スワロウテイル』感想・レビュー
「スワロウテイル」はあまり「音楽映画」という印象はないかもしれない。
でも、「娼婦のグリコ(chara)がバンドを組み、メジャーデビューする」という、かなり音楽要素の強い作品。
実際にリリースされ大ヒットした「Swallowtail Butterfly」はもちろん、作中、charaが歌う「マイウェイ」も至極の一曲。
大好きな曲ということもあって、「マイウェイ」のシーンはずっとこの歌が終わらなけらばいいのに、と感じるほどだった。
ちなみに劇中の「All or Nothing」というバンドのヒット曲「Free Flower」も小林武史が所属するMy Little Loverがリリースしている。
異国情緒と近未来的世界観が入り混じった日本を舞台に、イノセントとバイオレンスがぐちゃぐちゃに混ざった独特なストーリー。
佇まいや表情だけで惚れ惚れとしてしまうような個性豊かで魅力的な俳優陣。
「岩井作品はちょっと苦手」という人以外には全力でオススメしたい。
『SRサイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者』
「これがHIPHOPだ!」と直感させる、インディーズラップムービー
『SRサイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者』作品情報
田舎の冴えないラッパー達の奮闘の日々を描いてロングランヒットを記録した「SRサイタマノラッパー」3部作完結編。映画シリーズは完結したのち、テレ東でドラマ化もしている。
出演 | 奥野瑛太、駒木根隆介、水澤紳吾、斉藤めぐみ |
---|---|
監督 | 入江悠 |
公開 | 2012年 |
時間 | 110分 |
音楽ジャンル | HIPHOP |
作品ジャンル | 邦画・フィクション |
『SRサイタマノラッパー3』あらすじ
埼玉で活動する3人組HIPHOPグループ「SHO-GUNG(ショーグン)」。MCの一人マイティ(奥野瑛太)は2人を残して、上京を決意する。上京から2年、マイティは勢いのあるグループ「極悪鳥」へのメンバー入りを狙って下積み生活を送るも、不満が爆発。メンバーに暴行し、逃亡生活を余儀なくされる。
HIPHOPを捨てたつもりだったマイティだが、逃亡先の栃木でHIPHOPイベントの運営に参加。偶然イベントに参加していた「SHO-GUNG」メンバーの二人と、予期せぬ再会を果たすことになるー。
『SRサイタマノラッパー3』感想・レビュー
ジャケットの印象はB級っぽくて「1、2飛ばしても別にいいか」くらいの期待感で観始めた。
が、良い意味で期待を裏切られた。
中身もB級感がないわけじゃない。というか、ありまくる。
でも、ヒップホップに詳しくない人間にも、「これがヒップホップだ!」と思わせる熱量がある。
特にクライマックス、イベントの再会シーンは思わず目頭が熱くなった。
満遍なく高評価とは言えないけど、何よりも「一人でも多くの人に観てほしい」という気持ちにさせられたので、殿堂入りに。
このあと、さかのぼって2と1、テレ東でドラマ化したバージョンも全て観賞。
結局、3が一番良かったけど、どれもすごく良かった。
どこから入っても問題ないと言えば問題ないが、少なくとも連ドラは映画作品を観てからの方がいいかと思う。
音楽映画マイベストランキング【邦画・フィクション編】作品一覧
殿堂入り | 「リンダリンダリンダ」 「スワロウテイル」 「SRサイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者」 |
---|---|
星★5 | 「くちびるに歌を」 「パッチギ」 「NANA」 「ソラニン」 「タイヨウのうた」 |
星★4 | 「モヒカン 故郷に帰る」 「ゲロッパ」 「スウィングガールズ」 |
星★3 | 「うた魂」 「オケ老人」 「この世の外へ クラブ進駐軍」 「少年メリケンサック」 「日々ロック」 |
星★2 | 「カルテット!~Quartet!~」 「神童」 「青空ポンチ」 |
星★1 | 「NANA2」 「TOKYO TRIBE」 |
各作品の「あらすじ・点数評価・レビュー」は下記記事にまとめてます。
音楽映画マイベストランキング【邦画・ドキュメンタリー編】作品一覧
★5 | 「DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧」 |
---|---|
★4 | 「不確かなメロディー」 「オトトキ」 「モッシュピット」 「映画 ブラフマン(or★2)」 |
各作品の「あらすじ・点数評価・レビュー」は下記記事にまとめてます。
音楽映画マイベストランキング【洋画・フィクション編】作品一覧
殿堂入り | 「セッション」 「ギター弾きの恋」 「スクール・オブ・ロック」 「ザ・ブルースブラザーズ」 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 「ザ・コミットメンツ」 |
---|---|
★5 | 「あの頃ペニー・レインと」 「ONCE ダブリンの街角で」 「ブラス!(BRASSED OFF)」 「はじまりの歌」 「SING STREET 未来へのうた」 「ハイ・フィデリティ」 |
★4 | 「ソウルガールズ」 |
各作品の「あらすじ・点数評価・レビュー」は下記記事にまとめてます。
音楽映画マイベストランキング【洋画・ドキュメンタリー編】作品一覧
殿堂入り | 「バックビート」 「ジャージー・ボーイズ」 |
---|---|
★5 | 「8 mile」 「AMY」 |
★4 | 「RAY」 「ジェームス・ブラウン ~最高の魂(ソウル)を持つ男~」 「オアシス:スーパーソニック」 「Cobain モンタージュ・オブ・ヘック」 「NO FUTURE : A SEX PISTOLS FILM」 「ツイスト!」 「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK」 「グレイトフル・デッドの長く奇妙な旅」 「All Things Must Pass」 「ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド」 |
★3 | 「ザ・ランナウェイズ」 「Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡」 |
各作品の「あらすじ・点数評価・レビュー」は下記記事にまとめてます。
音楽映画マイベストランキング【ミュージカル編】作品一覧
ミュージカル編の「あらすじ・点数評価・レビュー」記事は準備中です。
★5 | 「ザ・ブルースブラザーズ 2000」 「ドリームガールズ」 |
---|---|
★4 | 「ヘアスプレイ」 |
★3 | 「LA LA LAND」 |
記事、興味深く拝見させていただきました。
このテーマは、私もよく酒の席で展開することがありますが、みたことない映画もありましたのでチェックさせていただきます。
リストになかった、是非お勧めの音楽映画をご紹介させて下さい。
The Commitments(1991)
Brassed Off(1996)
Backbeat(1994)
HIGH FIDELITY(2000)
絶対裏切りません!?