邦楽エレクトロ・スウィングシーンの注目アーティスト・トピック 覚え書き

本当にここ何年かで日本国内でもエレクトロスウィングの話題が色々あることに気づきました。

この記事ではそんな日本のESシーンの注目アーティストやトピックを集めました。
一つ一つはざっくりまとめてるので、音源聴いて気になったものがあったらさらに掘ってもらえたらと思います。

あまり主観は交えず淡々と書いてますが、ES好きなら刺さるものが少なくないはず。
また気づいたことがあれば随時更新していきます。

邦楽エレクトロスウィング 【歌・歌手】

水崎うき

元々アイドル活動などをしている中、2017年にエレクトロスウィングとの出会いに衝撃を受け、ESシンガーになることを決意。

ESを知って数ヶ月後にはクラウドファンディングで資金を集め、翌年自主制作CDをリリース。
それからもライブ活動、新曲リリースと精力的に活動されています。

作曲は提供してもらって、作詞は自身で手がけているみたいですね。
特にフランスのDimie Catを敬愛し、Dimie Catのカバー曲もリリースしています。

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majiko(まじ娘)

2010年からニコ動で歌手活動を始めたシンガーソングライター。
ES専門という訳ではないですが、ESやスウィングジャズが好きで、曲によってそのテイストが色濃く表れています。

特に3rd Album「寂しい人が一番偉いんだ(2019)」の「ワンダーランド」と「パラノイア」はES・ジャズを意識的に取り入れてるようです。

「ワンダーランド」はイントロから思いきりエレクトロスウィングだし、タイトルもcaravan palaceが浮かびます。

[参考]
「majiko「寂しい人が一番偉いんだ」インタビュー|ピントを合わせて“味方”へ届ける最新作 – 音楽ナタリー」

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中村さんそ

アニメチックで可愛らしいボーカルが特徴のDTMミュージシャン。
ジャンルはごった煮感がありますが、どれもプロフィールに記載している「Kawaii Pop」がしっくりきます。

「息継ぎの間もなく」は中村さんそ初のエレクトロスウィングの曲。

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FAKE TYPE.

2013年にトラックメイカー「DYES IWASAKI」とMC「トップハムハット狂」で結成された音楽ユニット。
エレクトロスウィング調のキャッチーなメロディに歌唱とラップを自由に行き来するボーカルというユニークな音楽性で注目を集めます。

ユニットとしては2017年に活動を休止。
それからは個々で音楽活動を続けられていて、個々の楽曲はESテイストからは離れているようです。

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邦楽エレクトロスウィング 【DJ】

Tamiko(岡部萌子)

2013年よりエレクトロスウィングの活動を開始。
肩書きは多岐に渡っていて、DJ、Singer、Producer、番組MCとして活動されています。

クラブミュージック専門ラジオ「DI.FM」ではエレクトロスウィングチャンネル「Master Mix Party Japan」のDJを担当。
https://www.di.fm/shows/master-mix-party-japan

2019年6月には代表理事として一般社団法人エレクトロスウィング協会「ElectroSwingJapan」を設立されてます。

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TamiKO | Mixcloud
ElectroSwingJapan

Onnoji

ヒップ・ホップ、ハウスを中心にDJ活動を開始し、現在はESをメインに活動。
イベント等でのDJの他、「Sound Cloud」や「MixCloud」といったサービスにESのMixを上げています。

選曲は洋楽中心ですが、日本語の曲も扱われていて「Electroswing_2019springmix」では後半に「Land Jump(水崎うき)」、ボカロ曲など3曲ほど収録されてます。

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Onnoji | Mixcloud
Onnoji | Soundcloud

邦楽エレクトロスウィング 【レコード会社】

Rambling RECORDS

日本のランブリングレコーズという会社が、様々なESコンピやESミュージシャンのCDを取り扱ってます。

Caravan Palaceはじめ、「このアルバムこのレコード会社のだったんだ」というのが結構あると思います(ありました)。

Rambling RECORDS

コンピでは日本人アーティストも含まれていて、「ELECTRO SWING NEW ERA」ではDYES IWASAKI、水崎うき、中路もとめ、「NO.1 SWING CATS」ではREMAHという日本人女性シンガーが参加してます。

邦楽エレクトロスウィング 【カバー曲】

ESはカバーが盛んですが、邦楽のカバーだと今のところ「ジブリ」くらいしか見かけていません。

「ELECTRO SWING GHIBLI Ⅰ、Ⅱ」(2011)

「Ⅰ 、Ⅱ」両方とも2011年リリースでインスト中心。
歌ものはそれぞれ3〜4曲ずつです。

邦楽エレクトロスウィング 【その他のトピック】

守備範囲外のジャンルでよく分かってないものもありますが、その他目に留まったES関連のトピックを紹介。

TikTok

人気の動画アプリ「TikTok」ではエレクトロスウィングの曲がひんぱんに使われてたりします。
Yolanda Be Cool & Dcupの「パッパラ☆アメリカ〜ノ」やCaravan Palaceの「Wonderland」はTikTokやってる人なら何度も耳にしてるはず。

ボカロ

ニコ動では「エレクトロスウィング」のタグがついたボカロ動画が100本以上が上がっています。
「ぬゆり」の↓この動画は約200万再生。

フォートナイト

フォートナイトというゲームでESの曲とダンスが使われてるみたいです。
正確には「エレクトロスウィング 」ではなく、「エレクトロスイング」という名称になってます。

邦楽エレクトロスウィング【所感・雑感】

アプリ・ボカロ・ゲームでのエレクトロスウィングの「人気」をみて

色々なジャンルでESが流れていても、日常で聴く「鑑賞用の音楽」として認識してるユーザーはあまりいない気がします。

ESというジャンルは同じでも、エンタメとしてのジャンル間に壁があるというか。
ヨルシカや倉橋ヨエコみたいにTiKTokキッカケで人気がでたものもあるので、その辺が洋楽の残念なところ。

日本語のESが流れたらそれだけで興味を持つ人は増えるんじゃないかと思います。

人によってES専門とES専門じゃない活動をみて

音楽ジャンルというと基本的に「そのジャンル専門」という印象もありますが、majikoや中村さんそのように曲単位で取り入れる人もいて、今後も増えそうですね。

一番ありそうだと思うのが、アイドルグループ。
アイドルはグループもコンセプトも飽和状態なので、ESがもう少し認知されたら取り入れるグループが出てくる気がします。

仮想通貨をテーマにしたアイドルまでいますからね。

ある音楽ジャンルをテーマにしつつ、思い切り音楽性がズレててコケたグループもいましたが、ESはそこまで大外しすることはないような気がします。

さいごに

日本のエレクトロスウィングシーンのまとめでした。

邦楽エレクトロスウィングはもちろん、エレクトロスウィング自体もまだ日本では認知されているとは言えないでしょう。

定着する前の一つの音楽シーンの始まりを目にすることは中々ないので、そういう面でも興味深いしこれからが楽しみだなと思います。

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