「ELECTRO SWING」

2000年代に欧州を中心に流行したElectro Swing(エレクトロ・スウィング)。
自分がESを知ったのは2016年頃で、一過性の流行りという以上に一つのシーンとして定着・拡大し続けていると思います。

この記事では、ESの魅力やオススメのアーティストを中心にエレクトロスウィングについて紹介します。

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[画像引用元] 「ELECTRO SWING (Amazon)」

Electro Swing(エレクトロ・スウィング)とは?

世界初のElectro Swing専門サイト「Electro Swing Thing」では次のように説明されています。
(つたない訳で発祥の流れもだいぶ端折ってます。たぶん普通に日本語で読んでもイマイチ伝わらなさそうだったので。)

エレクトロスウィングはハウス、ヒップホップ、ドラムンベース、EDMと古典的あるいはモダンなSwing、Jazzのエッセンスを組み合わせた音楽ジャンルです。Parov Stelar、Caravan Palace、Caro Emerald、Jamie Berry、Alice Francis、Bart&Baker、ProleteR、Peggy Suave、Swing Republic、Waldeck、Wolfgang Lohrらがこのジャンルの代表的なアーティストです。

エレクトロスウィングを正確に定義することは誰にもできません。それは本当に個人的かつ集団的な体験であり、多くの人に好まれているものです。エレクトロスウィングは人々を集め、楽しませ、日常の問題を忘れさせます。そこにルールはなく、ただ楽しんで、盛り上がって、夜更けまで踊るだけです。

「Electro Swing Thing」はこのあと取り上げている日本のES DJ Onnojiが紹介していたサイトで、自分も最近知りました(2019.07)。
日本では見当たらないほどESの情報が豊富なので、ぜひチェックしてみてください。

エレクトロ・スウィングの4大要素と4つの魅力

エレクトロスウィングは上の説明にあるように「音楽ジャンルの一つ」と紹介されてる事が多いです。
でも、ここ数年ESシーンを見ていると「HIP HOPの4大要素」と同じように複数の要素を内包した一つのカルチャーと捉えた方がしっくりくるような気がします。

「HIP HOPの4大要素」というのは次の4つ。

  • music(MC・RAP)
  • DJ
  • ブレイクダンス
  • グラフィティ

これはエレクトロスウィングにも置き換えられます。

  • music
  • DJ
  • ダンス(neo swing, etc)
  • グラフィティ(アートワーク・ファッション)

HIPHOP、ESに限らず、ロックとか他の色々な音楽ジャンルでも当てはまりそうですね。
そんな4つの要素を踏まえつつ、自分が感じるエレクトロスウィングの魅力をまとめると次の4つ。

① レトロフューチャーなビジュアルの格好良さ

エレクトロスウィングのビジュアル的なイメージの特徴を捉えたMVの一つが、Caravan Palaceの「Suzy」。

ブリキのロボットに宇宙船。歯車、蓄音機、メカメカしい小物にネオン管。
他にもヴィンテージ感のあるモチーフが満載で、音楽性に通じるこのレトロフューチャーなビジュアルがエレクトロスイングの特徴のひとつ。

この世界観は「スチームパンク」というジャンルにも共通してます。
スチームパンクはSFジャンルの一つですが、そういった嗜好を元にしたスタイル・カルチャー全般を指していて、エレクトロスウィングも一種のスチームパンクと言えそうです。

[出典] 「スチームパンク東方研究所 未来懐古的造形世界」(Amazon)
スチームパンク専門誌が刊行されていたり、アニメだと「スチームボーイ」や「ハウルの動く城」がスチームパンク物として有名。

② 楽曲のノリの良さと中毒性の高さ

音楽性としてはスイングジャズの軽快なメロディやリズムをエレクトロな打ち込みサウンドでさらにパワーアップさせているのが魅力。
エレクトロスウィングが「踊れるジャズ」と形容される所以です。

もちろんムードのある曲も多いけど、一番の魅力は(個人的に)ノリの良さ。
この記事では聴かせる曲ではなく楽しい曲中心に選んでます。

中毒性に関しては同じフレーズのリフレインもESの特徴。
その辺がエレクトロミュージックに通じる特性で、高い中毒性をもたらしてるポイントかと思います。

またCaravan Palaceの曲で例を挙げると「Brotherswing」。

③ 流れるような軽快なダンス

ESの曲でダンスしている動画がyoutubeにたくさん上がってます。
代表格はドイツのSven Ottenで、ダンサー名は「JSM(JustSomeMotion)」。

他にも色んなダンサーの動画を観ましたが、Sven Ottenは別格。
この人の半径数メートルは地球の重力の圏外かと錯覚するような軽やかさ。

このダンスはneo swingなど様々なスタイルを元に独自にアレンジしたものだそうです。

「Lost in the Rhythm」Jamie Berry feat. Octavia Rose

④ 良質なDJ play・Mix

日本のES DJにOnnojiという方いて、Sound Cloud、MixcloudといったサービスにESのMixを上げています。
また、イベントでのDJなど日本にESを広めるべく幅広く活動されてます。

この方のMixで初めてESのMixを聴いたんですが、これがめちゃくちゃ良くて。

ESのコンピやプレイリストはたぶん30以上は聴いてますが、一聴してダントツで気に入りました。
その理由は選曲はもちろん、コンピと比べてテンションや繋ぎ方に統一感があるのが大きそうです。
BGMとしても最適。

エレクトロスウィング 特にオススメのアーティスト5組

特にオススメなアーティストを先に5組、その後5組の計10組紹介します。

Caravan Palace(キャラバン・パレス)

すでに2曲取り上げてるフランスの7人組エレクトロ・スイングバンド。

2008年に1stアルバム「Caravan Palace」でデビュー。
本国フランスの他、各国のチャートにも名前が上がり、日本のサイトでもよく名前を見かけるエレクトロスウィングを代表するアーティストです。

3rdアルバム「<|°_°|>」(←この顔文字がタイトル)から一曲、「Lone Digger」を。
MVからもわかるように、3rdでは全体的にジャズ寄りからエレクトロ寄りにシフトしてます。

Parov Stelar(パロフ・ステラー)

オーストリアのDJ。Parov Stelarはアーティスト名で本名はMarcus Füreder。
(パロ「ブ」という表記もみますが、オーストリア・ドイツ語で「v」は濁らないようなのでおそらく「パロフ」かと)

2000年以前から活動しており、このジャンルのパイオニアとして挙げられるアーティストの一人。
資質や全体的な作品のクオリティでいうと、今回取り上げているアーティストの中でも群を抜いていて、ESというジャンルを超えてると感じます。

あらゆる音楽ジャンルの黎明期にはレジェンド級のアーティストが存在しますが、ESで言うとParov Stelarがそんな存在だと思います。

2010年リリースの代表曲のひとつ、「Booty Swing」。

Stereo Swing

ハンガリー初のエレクトロスウィングバンド。
ボーカルはジャズシンガーとして著名なSzűcs Gabi。

Stereo Swingはコンピレーションではよく取り上げられてますが、知名度的には前の2組に比べるとグッと下がります。
それもあって個人的に一番強くオススメしたいバンド。

エレクトロスウィングの女性vocalは全体的に若めの印象がある中、Szűcs Gabiは年齢が高め。ハスキーで渋い声質がジャンル的にハマってます。

以前はSzűcs Gabiはゲストボーカル扱い(feat表記)でしたが、2019年の「Bang Bang」ではfeat表記がないので正式メンバーになったようです。

TAPE FIVE

ドイツのアーティストで詳しいプロフィールは不明。
エレクトロスウィングのコンピレーションでよく見る名前で、ジャンルを代表するアーティストです。

ただ、曲はエレクトロな感じはほぼなく、MVも純粋にレトロな印象。
モノクロ映画のような雰囲気で味があります。

視聴回数から言って一番の代表曲は「Bad Boy Good Man」。

Lyre le temps(リラ・ル・タン)

出身はフランスで、フランス語のプロフィールしか見当たらなかったのでこちらも詳細は不明。

曲的には王道的なエレクトロスウィングですが、ビジュアル的にはジャズっぽさは全くないです。
そして、歌い方はラップ、HIPHOPの要素が強くて、加えて声質はパンキッシュ、というかなりごった煮感の強い異色ユニット。

特に↓の「Sweet Sugar Swing」はそうだけど、こんな吐き出すような歌い方をするエレクトロスイングは多分他にないでしょう。
あまり共感は得られない気もするが、無性に好きな曲です。

エレクトロスウィング オススメのアーティスト5組

こちらも日本語の情報が少ないため、プロフィールは少なめ。
今回アーティスト情報を改めて確認してみたら本当に国籍が様々で、世界中に浸透しているジャンルなんだと再認識しました。

Caro Emerald

オランダ、アムステルダム出身。2009年に「Back It Up」でデビュー。

Alice Francis

ポーランド出身。デビュー・アルバムは2013年の「St. James Ballroom」。

Dimie Cat

フランス出身。2009年「Pin Me Up」でデビュー。

Swingrowers

イタリア、シチリア出身の5人組。2012年「Swingrowers」でデビュー。

Electric Swing Circus

イングランド、バーミンガム出身の7人組。ボーカルはVicki OliviaとLaura Oのツインボーカル。
デビューアルバムは2011年の「Penniless Optimist」 。

さいごに

エレクトロスウィングはコンピレーションがたくさん出ているのでオススメを紹介します。
ここで紹介したアーティストもたくさん収録されてます。

「The Electro Swing Revolution vol.1〜」

これはシリーズで2017年現在、2016年の「vol.7」までリリースされてます。

CDジャケットがザ・エレクトロスウィングという感じ。
このジャンルを知らなかった頃でも見かけたら思わず手に取ってしまうと思います。

「NO.1 SWING CATS」

2013年リリースのコンピレーション。

「Best of Electro Swing!」

2017年リリースのコンピレーション。
似た名前のコンピがいくつかあるので注意。

ジャケットはイマイチだけど、アルバムトータルの出来としては一番好きかもしれません。

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