エレクトロスウィングというのは名前の通り、「スウィングジャズ」と「エレクトロ」を掛け合わせたジャンル。
特に厳密な定義はなく、「古典的なジャズと新しいエレクトロサウンドを融合した音楽」というざっくりした理解で問題ないと思います。

アーティストによって、エレクトロ寄り・ジャズ寄りの配分は違うし、エレクトロ要素がほぼなくてもこのジャンルに分類されてるアーティストもいます。

流行り的にはやや遅れてる感もありますが、流行りに関わらずおすすめしたいジャンルなので、エレクトロスウィングの魅力や代表的なアーティストをまとめました。

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[画像引用元] 「ELECTRO SWING (Amazon)」

エレクトロスウィングの3つの特長

自分が感じるエレクトロスウィングの魅力をまとめると次の3つ。

① レトロフューチャーなビジュアルの格好良さ

エレクトロスウィングのビジュアル的なイメージの特徴を捉えたMVをひとつ挙げると、Caravan Palaceの「Suzy」。

ブリキのロボットに宇宙船。歯車、蓄音機、メカメカしい小物にネオン管。
他にもヴィンテージ感のあるモチーフが満載で、音楽性に通じるこのレトロフューチャーなテイストがエレクトロスイングの特徴のひとつ。

この世界観は「スチームパンク」というジャンルにも共通してます。
スチームパンクはSFジャンルの一つですが、そういった嗜好を元にしたスタイル・カルチャー全般を指していて、エレクトロスウィングも一種のスチームパンクと言えそうです。

フェチ的に刺さる人にはきっとたまらないポイントでしょう。
(と、他人事みたいに言ってるけど自分がそうです)

[出典] 「スチームパンク東方研究所 未来懐古的造形世界」(Amazon)
スチームパンク専門誌が刊行されていたり、アニメだと「スチームボーイ」や「ハウルの動く城」がスチームパンク物として有名。

② 楽曲のノリの良さと中毒性の高さ

音楽性としてはスイングジャズの軽快なメロディやリズムをエレクトロな打ち込みサウンドでさらにパワーアップさせているのが魅力。
エレクトロスウィングが「踊れるジャズ」と形容される所以です。

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もちろんムードのある曲も多いけど、一番の魅力はノリの良さ。
主観的な好みもありますが、この記事では聴かせる曲ではなく楽しい曲中心に選んでます。

「中毒性」に関して言うと、同じフレーズを繰り返すという特徴があります。
またCaravan Palaceの曲で例を挙げると「Brotherswing」。

動画は海外のいわゆる「踊ってみた」動画。中毒性の高い曲に中毒性の高いダンスで延々とリピートしてしまう。

③ カバー曲が豊富

古典的なジャズナンバーから最近のPOPSまで様々な曲がカバーされていて、多くの名曲をエレクトロスウィングテイストで楽しめるのも魅力。
ジブリの楽曲をカバーしてるコンピレーションもあったりします。

一曲紹介すると、The Grandmono Orchestraの「Bad Romance」(Lady GAGAのカバー)。
ヴォーカルはCaro Emeraldというオランダの女性jazzシンガーです。

エレクトロスウィング 特にオススメのアーティスト5組

個人的に特にオススメなアーティストを先に5組、その後5組の計10組紹介します。

Caravan Palace(キャラバン・パレス)

すでに2曲取り上げてるフランスの7人組エレクトロ・スイングバンド。

2008年に1stアルバム「Caravan Palace」でデビュー。
本国フランスの他、スイス、ベルギーでもチャートインし、日本のサイトでもよく名前を見かけるエレクトロスウィングを代表するアーティストです。

3rdアルバム「<|°_°|>」(←この顔文字がタイトル)から一曲、「Lone Digger」を。
MVからもわかるように、3rdでは全体的にジャズ寄りからエレクトロ寄りにシフトしてます。

Parov Stelar

オーストリアのDJ。Parov Stelarはアーティスト名で本名はMarcus Füreder。
Parov Stelar trio名義でのアルバムもあります。

2000年以前から活動しており、このジャンルのパイオニアとして挙げられるアーティストの一人。
音楽家としての資質、全体的な作品のクオリティでいうと、今回取り上げているアーティストの中でも群を抜いてると感じます。

Parov Stelarは本当に中毒性が高く、延々と聴き続けることもしばしば。

2010年リリースの代表曲のひとつ、「Booty Swing」。

Stereo Swing

ハンガリーのエレクトロスイングバンド。
ボーカルはSzűcs Gabi。バンドのメンバーというわけではなく、ゲストで務めていると思われます。

Stereo Swingはコンピレーションではよく取り上げられてますが、知名度的には前の2組に比べるとグッと下がります。
それもあって個人的には一番強くオススメしたいバンド。

エレクトロスウィングの女性vocalは全体的に若めの印象がある中、Szűcs Gabiは年齢が高め。ハスキーで渋い声質がジャンル的にハマってます。

Parov Stelar以外で一番聴き込んでいる「We Wanna Swing Your World」から「BIG CITY DANDY」。

TAPE FIVE

ドイツのアーティストでこちらも詳しいプロフィールは不明。
エレクトロスウィングのコンピレーションでよく見る名前で、ジャンルを代表するアーティストです。

ただ、曲はエレクトロな感じはほぼなく、MVも純粋にレトロな印象。
モノクロ映画のような雰囲気で味があります。

視聴回数から言って一番の代表曲は「Bad Boy Good Man」。

Lyre le temps(リラ・ル・タン)

出身はフランスで、フランス語のプロフィールしか見当たらなかったので詳細は不明。

曲的には王道的なエレクトロスウィングですが、ビジュアル的にはジャズっぽさは全くないです。
そして、歌い方はラップ、HIPHOPの要素が強くて、加えて声質はパンキッシュ、というかなりごった煮感の強い異色ユニット。

特に↓の「Sweet Sugar Swing」はそうだけど、こんな吐き出すような歌い方をするエレクトロスイングは多分他にないでしょう。
あまり共感は得られない気もするが、無性に好きな曲です。

エレクトロスウィング オススメのアーティスト5組

こちらも日本語の情報が少ないため、プロフィールは少なめ。
今回アーティスト情報を改めて確認してみたら本当に国籍が様々で、世界中に浸透しているジャンルなんだと再認識しました。

Caro Emerald

オランダ、アムステルダム出身。2009年に「Back It Up」でデビュー。

Alice Francis

ポーランド出身。デビュー・アルバムは2013年の「St. James Ballroom」。

Dimie Cat

フランス出身。2009年「Pin Me Up」でデビュー。

Swingrowers

イタリア、シチリア出身の5人組。2012年「Swingrowers」でデビュー。

Electric Swing Circus

イングランド、バーミンガム出身の7人組。ボーカルはVicki OliviaとLaura Oのツインボーカル。
デビューアルバムは2011年の「Penniless Optimist」 。

さいごに

エレクトロスウィングはコンピレーションがたくさん出ているのでオススメを紹介します。
ここで紹介したアーティストもたくさん収録されてます。

「The Electro Swing Revolution vol.1〜」

これはシリーズで2017年現在、2016年の「vol.7」までリリースされてます。

CDジャケットがザ・エレクトロスウィングという感じ。
このジャンルを知らなかった頃でも見かけたら思わず手に取ってしまうと思います。

「NO.1 SWING CATS」

2013年リリースのコンピレーション。

「Best of Electro Swing!」

2017年リリースのコンピレーション。
似た名前のコンピがいくつかあるので注意。

ジャケットはイマイチだけど、アルバムトータルの出来としては一番好きかもしれません。

「My Best ElectroSwing of All TimeMix」 DJ Onnoji

日本のエレクトロスウィングDJ、OnnojiがSound Cloudに挙げてるMixです。

DJによるエレクトロスウィングのMixは初めて聴いたんですが、めちゃくちゃ良い。
コンピと比べて、テンションやムードに統一感があって聴きやすいし、適度にアップテンポでずっと心地よく聴き続けられます。BGMとしても最適。

曲名や歌手名が確認できないので、その点ちょっと気になりますが。