
ブルーハーツ、ハイロウズを経て、現在はクロマニヨンズのボーカル甲本ヒロト。
自分自身は疑ったことはないが、どうやら少なくない人が「甲本ヒロトって薬やってる?」と疑ってるようで、「甲本ヒロト」というキーワードで検索するとサジェストに「薬」と出てくる。
本当の事実は一介のファンには確認しようがないとして。
ヒロトと薬に関してイチファンがどう思ってるかと、薬物関連のニュースを見ると必ず思い出すハイロウズの曲があるので、その曲について紹介したい。
ちなみにこの記事を書いたキッカケは、先日のピエール瀧のコカイン使用による逮捕。
電気とヒロトはシーンは違えど、それぞれ30年以上活躍するトップミュージシャン。
今回の一件で薬にまつわる2組の一般人とファンの印象が真逆のように見えて、面白いなと思ったので最後に触れたい。
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甲本ヒロトが薬の使用を疑われる理由
これは自分の方が聞きたいくらいなんだけど。
でも、やっぱりあのエキセントリックな歌い方とガリガリの体型からだろうか。
あとはロックカルチャーとドラッグの結びつき。
これはほとんど単なる先入観なので、「偏見では?」で片付いてしまう話だとは思うけれど。
とりあえず、今まで具体的な薬物疑惑が上がったことは一度もないし、インタビューや歌詞の内容からも全く関心が見えない。
歌い方はパフォーマンスだし、あの運動量で30年以上歌い続けてるんだから、締まったスタイルもむしろ自然。
「だからシロ」とはならないけど、それしか言うことができないし、そもそも疑惑が先入観レベルであればそれで十分と言う気がする。
違和感を覚えるのは他のミュージシャンとのギャップ?
ふと思ったのは、テレビに出るミュージシャンと比べるとすごく異質で、そういう疑問が浮かぶのかな?ということ。
ブルハデビュー時の他のバンドや、テレビに出ないようなアングラなバンドと比べて特に奇天烈すぎるということは全然ないと思う。
ヒロトもライブではよく全裸になることがあったし、他にも色々エピソードがあったりする。
なので、正直「テレビで見せる姿だけでそんな奇妙に見えるんだ」とも思う。
また、自分が学生の頃はブルハの影響を受けたパンクバンドが沢山いたので、それもあってヒロトの歌い方が浮いてるようには感じなかった。
確かに、ビートルズ、ストーンズ、ピストルズと、ヒロトが影響を受けるミュージシャンに薬物の使用歴がある人は少なくない。
というか、伝説的なミュージシャンの伝記映画を観ると、クスリをやってない方が珍しいとすら思える。
でも、ピストルズに関してはシドがクスリで中毒死したけど、ジョニー・ロットンは「ドラッグは創造力を奪う」と断固否定派。
シドにも辞めさせようとさせていて、ヒロトはそちら側だろうなと感じる。
甲本ヒロトの薬物使用を疑う人に聴いてほしい曲
その曲はハイロウズの「バームクーヘン(1999)」収録の「ガタガタゴー」。
これはヒロトの曲ではなく、30年間ずっと一緒に活動している真島昌利(Gt)の曲。
作詞作曲、リードボーカルはマーシーで、ヒロトもコーラスで歌っている。
この曲の歌詞にはピーで消されているけど、薬の名前が出てくる。
(動画のサムネイルの目がいかにもやってそうだけど・・・笑)
機関車みたいに走っていくぜ
24時間じゃ全然足りねえ
全てブチのめせ オレのロックンロールガタガタゴー
落ち着かないなら××でも吸えよ
くたびれたんなら××でもやれよ
結局のところ退屈なんだろ
「結局のところ退屈なんだろ」
これはマーシーの歌詞の中でも、かなり印象的で好きなフレーズ。
クスリの快楽を下に見てるというか、「ロックはもっとすごい、もっと楽しい」と言ってるようでかっこいい。
ミュージシャンやタレント、スポーツ選手が薬物関連で逮捕されたというニュースが流れるたびに、毎回この歌詞が頭に浮かぶ。
そして、一見派手で華やかな生活を送ってるように見えて、「結局のところ退屈だったんだな」と思っていた。
それは他の犯罪や一般人の犯罪でも同じで。
法や他人を出し抜いて一時の金銭や快楽を得ても、「結局のところ、この人は退屈だったんだ」と思えて、「ズルい」とか「羨ましい」と気持ちが揺れることなく受け流していた。
そんな「ガタガタゴー」を歌うヒロトやマーシーがクスリに溺れているわけがない。
たぶんそれが大方のファンの考えだと思う。
電気と甲本ヒロトの薬に関する「一般人とファンの印象」の違い
ヒロトに関しては書いた通り、おそらくファン以外の人に疑惑を持たれやすく、濃いファンほど無縁だと感じてる。
電気グルーヴの、特に瀧の場合はむしろ逆なのかなと。
まず、ニュースで「俳優のピエール瀧」と紹介されてて、そこから意外だった。
デビュー当時のサブカル、アングラという出自は世間に浸透していなく、今の一般的な瀧のイメージは「名バイプレイヤー、好感度の高いタレント」なんだと再認識した。
当然、薬物をやってそうなんて全く思われてないだろう。
でも、ヒロトと逆で、きっと長いファン程意外に感じてない。
というか、「絶対クスリとかやってそうだけど、やってない人」が、「本当にやっていた」という一周回った意外性があるくらいだと思う。
電気もファンなので、今週ずっとモヤモヤしてるんだけど、そんな中この2人のイメージの差はなんだか面白いなと思った。
もう一つ書いておきたかったのは、
さっき「毎回『退屈だったんだな』で受け流していた」と書いたけど、今回の瀧のニュースは初めてそういう感想で受け流せなかった、ということ。
瀧ほど楽しんでるように見えて、それでも実は退屈だった・もっと何かが必要だったというのは、すごく救いがないことに思えて。
ニュースを聞いてからずっと消化できない何かが喉元につかえている。
さいごに
途中、話が逸れてしまったけど、まとめると、
- 甲本ヒロトにクスリ疑惑を持たれるような客観的な事実はない
- エキセントリックな歌い方はパフォーマンス
- ハイロウズに「ガタガタゴー」という薬物や中毒者を一蹴する歌詞の曲がある
- ヒロトを見続けてきたファンほど薬の使用を疑ってなく、もしやってたらファンの驚きは電気の比じゃない
- (瀧より危なそうな××も××やってる気がして心配)
「ガタガタゴー」を聴いたところで、ファンではない人に説得力なんかないかもしれないけど、そういう曲があるということだけでも知ってもらえたらと思う。
もし、パフォーマンス以外の姿が気になるのであれば、雑誌やネット記事のインタビューがオススメ。
ステージ上やアートワークのビジュアルイメージとはまた違う姿が見られて、だいぶ印象が変わると思う。
いろいろな曲を聴くうちに甲本ヒロトの大ファンになってしまった彼と同年代の者です。彼のエキセントリックな表現は、あえてしているのだと思っています。しかも、ドブネズミと同様の嫌われ、差別される側に立って愛の大切さを歌い上げている節がある。ホンモノの表現者であると。したがって、彼が薬をやったかどうかなど、私にとってはどうでもいいことなのです。もちろん、彼のためには、していないに越したことはありませんが。