今回のクロマニヨンズのレインボーサンダーツアーも無事参戦を果たせた。
行ったのはzepp tokyoとさいたま新都心ヘブンズロックの2回。

感想は「いつも通り最高だった!」
で、終わってしまうので、その中でクロマニヨンズの解散について思うところがあったので、それについて書きたい。

タイトルは「解散しそう?」という意味にも受け取れるけど、どちらかと言うと「そんな心配はない!」と改めて実感した話になる。

ヒロトとマーシーのバンド10年で解散説?

そもそもクロマニヨンズに解散の気配はない。
売り上げは全然知らないけど、ライブの動員も全く落ちていない。

それでも解散の可能性が気になるのは、前身バンドのブルーハーツ、ハイロウズが約10年で解散しているためだ。

しかも、ブルハ、ハイロウズも全く解散の気配などなく、突然の発表だった。
なので、もう活動期間が10年を超えたクロマニヨンズも「そろそろ」という可能性が頭をよぎる。

きっとそういうファンはある程度いるだろう。

ライブで実感した「解散はない!」と思った理由

本当に感覚的な話になるのだけど。

一言で言うと、「いや、もうこれ以上はないだろう」と。
ライブは何度も行ってるけど、初めてそんな風に実感した。

クロマニサウンドは「シンプルにそぎ落とされた」と形容されることが多い。

ブルハ、ハイロウズと比べてもメロディやアレンジ、歌詞のメッセージ性など色々なものを削って出来たのがクロマニヨンズという感がある。

そこから味気なく感じる人もいるだろうけど、それはそれで好みの問題として。

最近読んだ「パブ・ロックのすべて」という本の中で、ニック・ロウがこんなコメントをしている。

「(いま歌いたいのは)シンプルなのがいい。メロディも歌詞もすごくシンプルなのが。簡単に見えるだろうけど実際はすごく難しい」

自分はWebデザインをやっていて、ちょくちょく「シンプルなのでいいよ」というクライアントの言葉を聞く。

そこには「ササッと簡単に」というニュアンスが込められてるんだけど、実は簡単そうに見える方が難しかったりする。

例えば、
「色は白黒のみ。画像もイラストも装飾もなし。文字とレイアウトだけで、オリジナリティのある強いビジュアルを作って」
と言われたらなんとなく難しさが伝わるんじゃないだろうか。

クロマニのライブではまざまざとそんな強さを感じた。

今作収録じゃないが特に「ペテン師ロック」のドカンとくる感じが凄かった。

カツジのドラムにマーシーのギターにコビーのベース、そしてヒロトの声が重なると、本当にたった四人の人間から鳴ってる音なのかと不思議に思う程の迫力が生まれる。

シンプルだからこそゴマカシのきかない骨身の力強さに圧倒される。

(ちなみに今回ステージ背景に雷マークがあって、カツジがずっと雷様みたいだった)

テクニック的にはクロマニの曲はブルハ、ハイロウズでも演奏できるだろう。
でも、「ブルハ、ハイロウズでは成立しない、初期のクロマニにすらこの凄みは出せない」、そう思わせるものが今のライブにはある。

ハイロウズ時代の雑誌のコピーで「ロックがすべてから、すべてがロックへ」というものがあった。
でも、今のクロマニヨンズこそ、そのコピーが相応しいように感じる。

マンネリズムや惰性とは対極にある、突きつめた先の先にあるシンプルさと変わらなさ。

これまでメンバーチェンジしてバンドは進化してきたけど、いくら甲本ヒロト、真島昌利といえど、さすがにこれ以上、これと同等のバンドを新しく作るのは難しいんじゃないか。

ひしひしとそう感じられて、「クロマニはまだまだずっと続きそうだ」と改めて思えた。

さいごに

ライブレポートに変えて、クロマニ解散についての所感でした。
さいごに、10年周期説以外に「解散するかも?」と思った「これまでの傾向」が2つあったのでそれも紹介。

一つはシンプルさと複雑さが交互にくること

どういうことかというと、ブルハは演奏がシンプルで曲の時間も短め。ハイロウズは複雑になって時間も伸びる。
で、クロマニはそういう意味ではブルハ寄りに回帰してるので、今度はハイロウズ寄りに回帰するかもと思った。

もう一つは、キャリアと共に曲のテンポやトーンが若干落ち着く傾向があること
ブルハもハイロウズも、後半の方がミドルテンポの曲の印象が強くなる。

クロマニも前作「ラッキー&ヘブン」はそんな仕上がりだったので、それもあって解散の可能性がよぎっていた。

と、なんだか全体的に「解散して欲しくない」という内容だし、それはそうなんだけど、きっと解散したらしたですぐ「新バンド楽しみ」と気持ちが切り替わると思う。
ハイロウズの時がそうだったので。

クロマニヨンズにしろ、新バンドにしろ、ただいつものように次のアルバムとライブツアーを楽しみに待ちたい。

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