【入門者向け】レコードプレーヤーの選び方をスペックと機能から解説

前回は「レコードを聴くために必要なパーツと組み合わせパターン」について書きました。
今回はスペックや機能から考えるレコードプレーヤーの選び方について。

自分自身まだ初心者で、特に最初はどう選んだらいいのか全然分かりませんでした。
それから色々勉強して、「これだけは知っておきたい」ポイントがわかってきたので、図やイラストを使ってまとめました。

アンプやスピーカーを含めた全体の構成について知りたい方は前回の記事を参照ください。
【入門者向け】レコードを聴くために必要なものと組み合わせパターン

レコードプレーヤー購入で最低限確認したいスペックと機能

初めてレコードを買う際は、少なくとも次の項目をチェックしておくと良いと思います。
「最低限知っておきたいレコードの知識」「購入の際、チェックすべきポイント」という観点でピックアップしています。

イラストのモデルはTEACの「TN-350」

回転数など、ほぼ全機種共通の項目も多いですが、次の項目は比較する上でポイントになります。

  • 4. フォノイコラライザー内蔵か否か
  • 5. トーンアームの種類(専用カートリッジ以外に交換できるか)
  • 9. フルオート機能
  • 10. USB出力端子
  • 11. Bluetooth送信

一つずつ簡単に説明していきます。

ちなみに肝心の音質はスペック上では判断しにくいです。特に初心者は。
音質は値段に比例してるとは限りませんが、まずは値段が一番の目安になります。

1. モーターの駆動方式

ターンテーブル(プラッター)を回転させる駆動方式の違いです。
現在主流の方式はベルトドライブ方式とダイレクトドライブ方式の2種類で、ベルトドライブの方がメジャーです。

【ベルトドライブ方式】
フォノモーターがベルトを介してターンテーブルを回転させる方式。
ベルトがモーターの振動を吸収するので、回転が滑らかだが、モーターとターンテーブルが離れているので、回転ムラが起こりやすい。ベルトが摩耗した際は交換の必要がある。
【ダイレクトドライブ方式】
フォノモーターがターンテーブルを直接回転させる方式。
ベルト方式とは反対に、モーターが直接ターンテーブルを回すので振動が伝わりやすいが、回転ムラが起こりにくい。

駆動方式に限らず、どのパーツも「振動による再生音への影響をいかに抑えるかが重要」というのは知っておくと良いでしょう。
上位機種になるほど、ガッシリしていて重いのは、単純に重い方が振動を抑える上で有利になるためです。

2. 回転数

回転数は「レコードが1分間に回転する数」で、33 3/1回転と45回転があります。
レコードの収録時間はこの回転数と、レコードのサイズによって変わってきます。
(SP盤、78回転、10インチのレコードはマイナーなため、ここでは省略)

多くのプレーヤーは33 3/1、45回転対応が標準。
一体型プレーヤーの中には78回転に対応してるものも結構あります。

EP(ドーナツ)盤は文字通り、真ん中に穴が空いています。
ターンテーブルに載せるにはアダプターが必要で、アダプターはプレーヤーに付属しているはずです。

3. カートリッジの種類

カートリッジは先端にレコード針がついていて、このレコード針がレコードに刻まれた溝の波形をオーディオ信号に変換させます。
高級機種でない限り、プレーヤーとセットになっています。

カートリッジにはMM型とMC型の2種類があります。
VM型というのもありますが、VM型はMM型とみて問題ありません。

【カートリッジ MM(ムービング・マグネット)型】
マグネットを振動させることで、オーディオ信号を発電する方式。
MC型に比べて音量を得るための出力電圧が高いのが特徴。
【カートリッジ MC(ムービング・コイル)型】
コイルを振動させることで、オーディオ信号を発電する方式。
MM型に比べて出力電圧が低いのが特徴で、MM型用のフォノイコライザーにつなぐ場合には、「昇圧トランス」などで信号を増幅する必要がある。

音質はMC型の方が優位とされていますが、取り扱いの仕方や価格的に、MM型が入門〜中級者向けです。
プレーヤーに付属しているカートリッジも基本MM型です。

4. フォノイコライザー内蔵か否か

これは絶対に確認しておくべき項目です。
レコードを聴くためには通常のプリメインアンプ等の他にフォノイコライザーが必要になります。

フォノイコは単体製品やアンプに内蔵されている場合もありますが、プレーヤーに内蔵されている場合もあります。
内蔵プレーヤーの方がエントリーモデルなので値段も安めです。

【フォノイコライザー】
レコード特有の「RIAA信号」という微弱でクセのあるオーディオ信号を補正し、増幅させるための装置。
フォノイコライザーがないと、高音が強調された小さな音しか出ない。

カートリッジのタイプ(MM・MC型)によってフォノイコライザーもMM型(のみ)対応MM・MC型対応の2種類があります。
フォノイコ内蔵プレーヤーのほとんどは「カートリッジ=MM型、内蔵フォノイコ=MM型対応」ですが、念のためチェックしておきたいポイントです。

もう一つ確認しておきたいのは、内部のフォノイコのオンオフを切り替えられるかどうか
オフにできる場合、単体のフォノイコやアンプ内蔵のフォノイコに接続することで、音質アップを図れます。

5. トーンアーム、ヘッドシェル、ウェイト

プレーヤーには他の色々なカートリッジと交換できるタイプと専用のカートリッジしか交換できないタイプがあります。
交換できるか否かはトーンアームの種類によります。

【ユニバーサル型アーム】
アームの先に一般的な交換式のヘッドシェルを取り付けており、色々なカートリッジと交換できる。
【シェル一体型アーム】
アームとヘッドシェルが一体となっており、専用カートリッジしか交換できない。

ゆくゆくカートリッジを交換して音の変化を楽しみたい方はユニバーサル型が向いているでしょう。

トーンアームには、S型、J型、ストレート型など形状にも違いがあります。

ウェイトはレコード針がレコードの溝をトレースするために一定の重量(針圧)を与えるためのパーツ。
「ウェイト」と呼ばれる錘(おもり)を使用する「スタティックバランス型」とバネの力を利用する「ダイナミックバランス型」があります。

6. キャビネット

レコードプレーヤーの本体(筐体)のことです。
材質やサイズが音質に影響する重要なパーツですが、入門者には判断しにくい部分です。

上で書いたようにまずは「物理的に重くて大きい方が音質的に優位」という認識で良いと思います。
記事の最後で紹介するプレーヤーも上位機種になるほど、徐々に重くなる傾向があります。

7. インシュレーター

キャビネットの底に装着し、モーターの振動が接地面や他の機器に干渉しないようにするためのパーツです。
インシュレーターはCDプレーヤー、アンプ、スピーカーにも設置するもので、音質に影響する重要なパーツです。

レコードプレーヤーの場合、傾きを水平にするために高さを調整する役割もあります。
(調整できないものもあります。)

8. ダストカバー

ダストカバーは、名前の通り「ホコリ除けのカバー」。
レコードにホコリは大敵なので、あった方が良いパーツだと思います。

基本的に着脱できるもので、レコードを再生中は外しておくことが勧められています。
これも振動の問題で、音に余計な影響を与える要素だからです。

9. フルオート機能

レコードは再生する際は、トーンアームを移動し、盤の上にレコード針を落とします。
この作業をボタンを押すと自動でやってくれるのが「フルオート機能」です。

こういった手間は「儀式」と呼ばれていてレコードの楽しみの一つですが、面倒という方には魅力的な機能です。
曲の終了時に自動停止するAUTO STOP機能だけ備えている機種もあります。

10. USB出力端子

USB出力端子があるプレーヤーは、レコードのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバート機能を備えています。
簡単に言うと、PCにつないで録音ができるということです。

録音する際の音質はプレーヤーによってCD音質/ハイレゾ音質など違いがあります。
録音用のソフトも付属しているはずなので、そのソフトの機能・対応OSなども確認しておくと良いでしょう。

USB端子がないプレーヤーも、別途、デジタル録音用の製品を使用すれば、PCに取り込むことができます。

11. Bluetoothストリーミング送信

「Bluetooth」とは無線規格の一つで、簡単に言うと、プレーヤーとスピーカーの接続にケーブルが要らないということです。
その場合スピーカーやヘッドホン側もBluetoothに対応している必要があります。

その他に一体型プレーヤーでチェックしたいポイント

レコード再生に必要な「プレーヤー・フォノイコラライザー・アンプ・スピーカー」がセットになっているのが一体型プレーヤーです。
一体型の場合は、以下の項目もチェックしたいポイントです。

ヘッドホン端子

プレーヤーにヘッドホン端子があれば、そのままヘッドホンで聴けます。
フォノイコとアンプが内蔵されていることが前提なので、一体型プレーヤーでのみチェックするポイントになります。

バッテリー駆動

一体型プレーヤーの中には携帯用のポータブルプレーヤーがあります。
ポータブルプレーヤーではバッテリーの種類や駆動時間もチェックします。

他メディア対応

一体型の中には、レコード以外にも様々なメディアに対応しているものがあります。
レコード、CD、AM/FMラジオ、カセットテープ、全てを一台で聴ける機種もあります。

【入門者向け】スタンダードなレコードプレーヤーを紹介

最後にスタンダードな機種をいくつか紹介します。
取り上げるのは「一体型プレーヤー・フォノイコライザー内蔵・フォノイコライザー非内蔵」で分類した計8機種。

全体的にエントリー向けほど多機能で、中級〜上級者向けほど音質重視で付加機能は少ない傾向があります。

全体的な傾向をザッと見渡すことが目的なため、機種ごとの詳しい説明はありません。
また、スペックは確認の上記載していますが、検討される際は再度ご確認をお願いします。

一体型プレーヤー

アンプなど基本的な機能の他、付加的な機能も豊富で、デザインにも力を入れた機種が多いタイプです。
値段も手頃で、まずは手軽にレコードを始めたいという方にオススメです。

Max LP | ION Audio

一体型プレーヤーを代表するメーカー、ION Audio(アイオンオーディオ)。
細かな機能の違いで、ラインナップも豊富です。

Max LPはその中でも、ヘッドホン端子とダストカバーがついているのが特長です。
【実勢価格 約1万円】

回転数 33・45・78
トーンアーム 一体型
フルオート ×
ダストカバー
USB出力端子
Bluetooth ×
その他 ヘッドホン端子
カラー 天然木パネル・ピアノブラック仕上げ
重さ 約3.5kg

Musitrend LP レコードプレーヤー

IONのMax LPと同等のスペックで、値段は2千円ほど安いです。
【実勢価格 約8千円】

回転数 33・45・78
トーンアーム 一体型
フルオート ×
ダストカバー
USB出力端子
Bluetooth ×
その他 ヘッドホン端子
カラー
重さ 998 g

フォノイコライザー内蔵プレーヤー

フォノイコ内蔵から大手のオーディオメーカーの機種も見られるようになります。
スピーカーは内蔵していませんが、このタイプも手軽さや色々な付加機能を売りにしている機種が多いです。

AT-PL300 | audio-technica

audio-technicaはエントリー向けから中級者向けまで、ラインナップが豊富です。
【実勢価格 約9千円】

モーター ベルトドライブ
回転数 33・45
トーンアーム 一体型
付属カートリッジ VM型
フォノイコライザー ○(オン/オフ切換式)
フルオート
ダストカバー
USB出力端子
Bluetooth ×
カラー 白・黒
重さ 2.7kg

DP-300F | DENON

DENONも機能・ランク別の機種が揃っています。
【実勢価格 約2万円】

モーター ベルトドライブ
回転数 33・45
トーンアーム 一体型
付属カートリッジ MM型
フォノイコライザー ○(オン/オフ切換式)
フルオート
ダストカバー
USB出力端子 ×
Bluetooth ×
カラー シルバー・黒
重さ 5.5kg

TN-350 | TEAC

見た目も高級感があって、人気の機種です。
新宿アルタのHMVレコードの試聴機がTN-350なので、都内の方は試しに聴くことができます(2018年時点。要確認)。
【実勢価格 約3万円】

モーター ベルトドライブ
回転数 33・45
トーンアーム ユニバーサル型
付属カートリッジ VM型
フォノイコライザー ○(オン/オフ切換式)
フルオート ×
ダストカバー
USB出力端子 ○(CDクオリティ 最大48kHz/16bit)
Bluetooth ×
カラー チェリー・ナチュラル(ベージュ)
重さ 4.9kg

PS-HX500 | SONY

PS-HX500はハイレゾ音質でデジタル録音できるのが特徴。
メーカー的にも見た目的にもbluetoothに対応してそうな印象なんですが、非対応です。
【実勢価格 約5万円】

モーター ベルトドライブ
回転数 33・45
トーンアーム シェル一体型
付属カートリッジ MM型
フォノイコライザー ○(オン/オフ切換式)
フルオート ×
ダストカバー
USB出力端子 ○(ハイレゾフォーマット)
Bluetooth ×
カラー
重さ 5.4kg

フォノイコライザー非内蔵プレーヤー

ここから本格的に音質を追求するモデルと言えます。
付加的な機能が少なくなり、カラバリもなくなる傾向があります。

CP-1050(D) | ONKYO

ONKYOの現行のレコードプレーヤーはこの1機種のみです。
【実勢価格 約3万5千円】

(↓リンク先のAmazonは実勢価格よりだいぶ高いです。)

モーター ダイレクトドライブ
回転数 33・45
トーンアーム ユニバーサル型
付属カートリッジ MM型
フルオート ×
フォノイコライザー ×
ダストカバー
USB出力端子 ×
Bluetooth ×
カラー
重さ 8.6kg

DP-500M | DENON

DP-500MはDENONの上から2番目のモデル。
レトロというよりクラシカルで高級感がある外観は、普及価格帯のモデルの中でも群を抜いてます。

最上位モデルDP-1300MKIIは、約15万と一気に値段があがるので、初心者にはDP-500Mが上限かなと思います。
DP-1300MKIIになるとカートリッジも別売りです。

【実勢価格 約5万5千円】

モーター ダイレクトドライブ
回転数 33・45
トーンアーム ユニバーサル型
付属カートリッジ MM型
フルオート ×
フォノイコライザー ×
ダストカバー
USB出力端子 ×
Bluetooth ×
カラー
重さ 10.1kg
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