今年からオーディオを始めようと情報収集をしてきた中で、大事だなと感じたポイントをまとめました。
具体的な製品の選び方というより、基本的な知識と心構えという感じです。

まだ一歩目の方向性もよくわからないという方の参考になればと思います。
自分がレコードきっかけで始めたので、レコードの話も混じえてます。

より込み入った知識は、最後にオススメの書籍を3冊紹介しています。

オーディオ初心者が考えるオーディオ選びの基本と心構え

書きだしてみたら本当に当たり前すぎる気もしてきましたが。
参考にならなそうであれば、後半の本だけチェックしてみてくだい。

  • ❶ 一番音質に影響が大きいパーツと費用の配分の目安
  • ❷ ネットのレビューや店員の話は参考程度に
  • ❸ できるだけ多くのスピーカーを試聴してみる
  • ❹ メーカーの「謳い文句」も参考程度に
  • ❺ 最初は自分の音の好みを知る、音の基準を作るつもりで選ぶ

❶ 一番音質に影響が大きいパーツと費用の配分の目安

初心者は、「プレーヤー・アンプ・スピーカー」どれにどの位お金をかけるべきか?という感覚が分からないと思います。

基本的に一番重要で音質への影響が大きいのはスピーカーです。

自分はイヤホン・ヘッドホンの経験はあるので、これは納得できます。
同じポータブルプレーヤーで聴いても、イヤホンでガラッと音は変わります。

一般的に言われている費用の割合は「スピーカー・アンプ・プレーヤー=5割・3割・2割」
値段と音質(自分の好み)が比例してるとは限りませんが、「5・3・2の法則」は一つの目安になります。

少なくとも「プレーヤー1万、アンプ1万、スピーカー10万」みたいな構成はバランスが悪いと知っておくと良いでしょう。

レコードの場合、カートリッジも音質の影響が大きいパーツですが、初心者が目利きするのは難しいかと思います。

❷ ネットのレビューや店員の話は参考程度に

ごく当たり前な話ですが。
音質はかなり主観的なものなので、できれば試聴してみることをオススメします。

家電量販店等では試聴ができますし、相談にものってもらえます。
知らない人もいると思いますが、量販店には店舗の社員とメーカーの派遣スタッフがいます。

メーカーの方はメーカーの名札をつけていて、当然、自社製品を一番に勧めます。
(そんな強引な営業トークはまずありません。)

じゃあ、社員なら公平かというと社員も店として売りたい商品があるし、人それぞれ考え方も違います。
いずれにしても、ある程度偏りのある一つの意見として参考にするといいでしょう。

❸ できるだけ多くのスピーカーを試聴してみる

「できるだけ多く」というのは音の好みは主観的なだけでなく、相対的でもあるから。
一つ聴いて「良い」と思ってすぐ別の機種を聴いてみたら、そっちの方が断然良いということがあります(ありました)。

見方を変えると、意識的に比較しなければ大体の製品に不満は感じないとも思います。
今時そんなおかしな製品はないので。

自分は量販店(ビックとヨドバシ)で何度か試聴しました。
次の点はやや難ありでした。

  • レコードプレーヤーは一体型モデルしか試聴できなかった
  • 好きなパーツの組み合わせは試せない(アンプとCDプレーヤーは固定)

レコードは針や盤が消耗品ですからね。
ネットのレビューを見ても、試聴して買ったというコメントは見かけないです。

スピーカーは気になるものを10機種以上試聴できました。
プレーヤーとアンプに関しては予測で買うしかないかもしれません。
(オーディオ専門店など店によってはアンプやレコードプレーヤーの試聴も可能かも。)

❹ メーカーの「謳い文句」も参考程度に

単に疑り深い人みたいになってきましたが、何でもうのみにしがちなのが初心者なので一応。

例えば、オーディオでよく使われる「原音に忠実」というコピー。
なんとなく良さそうな気がしますが、疑問も浮かびます。

そもそも「原音」とは?なぜ「原音に忠実」だと良いのか?
ヘッドホンの場合、原音に忠実なのは「モニターヘッドホン(制作者向け)」で、あまり鑑賞用の美点とはされてません。

後で紹介する「オーディオの科学と実践」という本でも、また違う角度から「原音に忠実」に疑問を投げかけています。
ともあれ、ここで言いたいのは、自分の中で吟味したいということ。

最近流行りの「ハイレゾ」しかり、様々な「オーディオの常識」しかり。
しつこいですが、一般的に良いとされてることが自分にとって良いとは限らないので。

オーディオの本も著者によって全然違うことを言ってたりします。
これはどっちが嘘という話ではなく、それが醍醐味なんだろうなと感じます。

最初は自分の音の好みを知る、音の基準を作るつもりで選ぶ

アレコレ書いてきましたが、最初はあまり深く考えなくても良いとも思います。
好みの音を追求するのがオーディオですが、そもそも「好みの音」がわからないのが初心者。

自分なりの「音の基準」を作ることを第一に、ある程度納得できそうなもので、気軽に始めてみるのが良いかと思います。

参考書によっては入門向けの資金の目安は「低く見積もって30万」とあります。
個人的には30万は厳しいかなと。

最悪、生活習慣として馴染めない可能性もありますしね。特にレコードは手間もかかるので。
自分は以前カメラを趣味にしようとそこそこ良い機種を買ったけど、ほぼインテリアと化してます。。

だいたい一式揃える費用で2万から10万。
それこそ、入り口は手頃なオールインワンレコードプレーヤーやCDコンポでもいいと思います。

オーディオ選びの基礎がわかるオススメの書籍

最初はネットで調べてたんですが、どうしても情報が断片的で、基本がつかみにくかったです。
全体像を視野にいれて基礎を理解しようと思ったら、やはり本が最適だと思います。

10冊以上読んだので、その中からオススメの本を3冊紹介します。

ちなみに、最初からこんなにお金(本代)をかけるのは珍しいかもしれません。
自分の場合、趣味目的の他に「Webデザイナーという仕事柄、音楽・オーディオ関連のサイト制作に(すでにいくつか携わっていて)今後も携わりたいから」という考えがあったためです。

「オーディオの科学と実践」

「良い音を聴きたい」と思ってる人は多くても、「良い音とは?」と聞かれて答えられる人はきっと少ないはず。
この本ではまず「良い音とは何か?」から考えて、オーディオ選びの手掛かりを知ることができます。

著者は音楽制作のプロの方ですが、一般リスナーの視点に寄り添って書かれているので、すごく好感がもてます。

やや難しく、実感としてすぐに理解できない点もありますが、読んでいて純粋に面白かったです。

※CD/PCオーディオやスピーカー選びのポイントが中心で、レコードに関する解説はありません。

「ゼロから理解するオーディオ入門帳」

表紙はポップで軽めな印象ですが、かなり丁寧に詳しく解説されています。
レコードを含め、オーディオ全般の知識を適度なボリュームで見渡せます。

図解や画像もたくさん使われていて、コンテンツの作り方として素晴らしいなと感心しました。
リファレンスとして末長く手元においておきたい一冊です。

「やさしくできる アナログレコード再生の本」

最後にレコード専門の本を一冊。
注意点は取り扱いが少なく、Amazonでも定価以上の中古だけの状況が続いてるようです。

出版元のオンラインショップなら定価(2千円)で買えて、自分はこっちで買いました。
「やさしくできるアナログレコード再生の本」 Fujisan

レコード専門誌なので、入門者には詳しすぎるくらい詳しいです。
修理方法や交換カートリッジの情報はすぐには必要ないかもしれませんが、こちらも先々まで参考にできる一冊です。