
2010年に1st「Memoirs(メモワール)」をリリースし、日本でも話題となったR&Bシンガー、Rox。
影響を受けたアーティストにローリン・ヒルの名前を挙げ、どこかで見かけた「ローリン・ヒルの再来」と言うコピーが印象に残ってます。
当時まだ若干21歳という期待感込みで、そのコピーは真に迫るものだったと思います。
自分も1stはかなり聴き込んで次回作をすごく楽しみにしてました。
が、それから何ヶ月かに一回は検索するものの、新作の便りは一向に届かず…。
やっと、この間2ndアルバムが2018年にリリースされてたことに気づきました。
ただ、その内容があまりに1stとかけ離れてていて…。
クオリティ云々ではないんですが、雰囲気がガラッと変わってます。
わざわざ「がっかりした」という報告をするのも気が引けるんですが、自分のように「Roxの2nd」を検索し続けてる人の目にとまればと思い、記事にしました。
というのも、まず2ndはステージネームの「Rox」から本名のRoxanne Tataei(ロクサーナ・タタエイ)名義になってるんですよね。
「Rox」で検索しても気づきにくいし、今のところ(2019.09)amazonやサブスクの「rox」の項目にない上に関連アーティストにも出てこない状態です。
なので、何はともあれ2ndの存在に気づくキッカケになればと。
ということで、ある意味もう記事の目的は達成なんですが、2ndや1stの感想も書きつつ、Roxについてザッと紹介します。
Rox 1st「Memoirs」
Roxは1988年生まれでイラン人の父親とジャマイカ人の母親をもつハーフ。
出身はイギリス、ロンドンで子どもの頃からナショナル・ユース・ミュージック・シアター(ミュージカル劇団)などで歌手活動を始めます。
2007年にバンドを結成し、本格的に音楽活動を開始。
2008年に名門ラフトレードと契約し、2009年に1stシングル「No Going Back」でデビュー。
そして、2010年に1stアルバム「Memoirs(メモワール)」をリリースします。
2010年には英BBCがその年にブレイクしそうな新人に贈る「BBC Sound Of 2010」に選出。
本国のメディアでも注目され、日本でもぼちぼち話題になってたと思います。
(参考:「Memoirs」日本盤ライナーノーツ)
「Memoirs」は音楽性だけでなく、Roxのボーカル・ビジュアル含め、クラシカルな風味を漂わせつつ、現代的なエッセンスも兼ね備えていて、スターを約束されたような存在感を放ってました。
CDジャケットもシックでキュートでカッコいい。
予備知識なしで見かけたとしても絶対後で曲をチェックしてたと思います。
そして、何より当時まだ21歳。
もう「次回作は一体どうなるんだ」と期待せざるおえないです。
アルバムはトータルで大好きなんですが、2曲お気に入りを選ぶと一つはリードソングの「My Baby Left Me」。
当時から公開されていたMVは300万近い再生回数を記録してます。
もう一曲は一番好きな曲「Precious Moments」。
特にこのバラードのサビは琴線に触れるものがあります。
2nd「Full Moon in Aries」Roxanne Tataei
2018年9月24日にリリースされた2nd。
ジャケットから明らかに「前と違う」と直感させる変わりよう。
どう考えても音楽性も変わってしまったんだろうなと聴く前から期待感は萎んでました。
不思議なのは1stもソングライティングを本人が手がけていて、特に1stの出来に不満があるような感じではなかったんですよね。
プロデュースは「ジェイZのプロデューサー」でRoxの友人でもあるアル・シャックスが務めていて、「次も頼みたい」とコメントしてたり。
[参考] ROX 『Memoirs』| tower records
https://tower.jp/article/interview/2010/08/06/67804
今回も基本的にジャンルは同じで曲も本人が作ってるようですが、一般的に欧米や日本でウケるようなポップネスは無くなってるように感じます。
どこかエキゾチックな雰囲気は彼女がイランとジャマイカのハーフであることを思い出させます。
(関係があるのかはわかりませんが)
アルバム収録曲のMVも以前と同じアーティストのセンスとは思えない仕上がり。
シュールで世界観もよく分からない…。
ある意味インタビューとか読んでみたいんですが、2ndリリース後メディアに取り上げられる気配はなさそうです。
歌声自体は全然色褪せてないし、動画は高評価数の割合が多いし、最終的には「好み」の話になってくるかと思います。
でも、日本の洋楽ファンにはちょっと馴染みにくいテイストかなと思います。
↓「Make or Break」は一番以前の「面影」があって、これは結構好きです。
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