ランブルズ

マヤーンズを知ってる人は記事タイトルを見て疑問に思ったかもしれない。

バンドが結成したのは2011年だからまだ結成から13年もたっていない。

自分が初めてマヤーンズのボーカル逸見亮太を見たのは今からもう13年前。
前身バンドのランブルズの時だった。

2006年、あるライブでランブルズの逸見亮太を初めて目撃する

ランブルズをライブで見たのは、たまたま目当てのバンドと対バンしていたからだった。

何の前情報もなく、当然期待もしていない中、ステージに現れたランブルズ。

年齢はパッと見10代後半から20代前半。
まだ幼さが残りつつ、外見はスーツで決めていてモッズっぽかった。

音楽性は「ホンキー・トンク」という曲があったり、一言でいえばローリングストーンズ。

時期的に下火だったけど、青春パンクとメロコアブームの中で一味違う存在感を放っていた。

そして、逸見亮太はチバとヒロトを足して2で割ったようなビジュアルで、歌い始める前から「この人の音楽絶対好きそう」とビビッときていた。

実際、絶妙なポップセンスと「らしさ」を感じる曲ばかりで純粋に良いバンドだと思った。
何よりスーツ姿で思い切り弾けていた逸見亮太はすごく楽しそうで、カッコよかった。

まるでコーツ時代のヒロトを目の当たりにしているような、と言ったら大げさだろうか。
でも、それくらいその時の逸見亮太はキラキラして見えた。

逸見亮太は自分が初めてカッコいいと思わされた年下のミュージシャンかもしれない。
(いまだに実際の年齢知らないので多分だけど)

それから数ヶ月後、今度はランブルズ目当てでもう一度ライブに行く。
記事冒頭の画像(デモCD)はそのライブで物販をしていた逸見本人から購入したものだ。

ランブルズ

「ホンキートンク、マネーガネー」の裏面。

「このバンドはきっと売れる・売れてほしい」とか、当時は何も考えてなかったような気がする。

ただ、「たまたまスゴい掘り出し物と出会った」、そんな気分だった。

それからマイナーなロックシーンのアンテナも鈍くなって、ランブルズもたまにPCに入れてる曲を聴くくらい。
積極的に情報を追うこともなくなっていた。

2017年、あるライブでまた偶然逸見亮太を目撃する

すっかり存在も忘れかけていた頃、ライブハウスでまた逸見亮太を見かける。

そのライブはクロマニとニートビーツの対バンイベントで、場所は恵比寿リキッドルーム。

「偶然」と書いた通り逸見は出演者だったわけではない。
逸見亮太は客として来ていてラウンジのソファに座っていた。

その時の率直な感想を言えば、なにか物悲しさを覚えるものだった。

格好やメンバーっぽい連れを見てもバンド自体は続けてるようだった。

でも、大のロック好きが集まったライブハウスで注目を集めず、本人も一目を気にせず座ってるということは、つまりそういうことなんだろうと。

あんなにキラキラして見えたのに、10年経っても芽が出ることはなかったんだな、と。

初めて見たステージで「ヒロト」を感じたボーカルが、自分と同じファンとしてヒロトのライブを見に来ていることに、なんだか物悲しさを感じてしまった。

ライブ後に、今はマヤーンズというバンドで活動していることがわかった。
わかって曲を聴いてみても、印象は大きく変わらなかった。

また率直な印象を言えば、「どこにでもいる売れてないロックバンドの曲」という以上の感想はもてなかった。

これはどっちにしろ本音書いてたけど、さっき最近のマヤーンズの記事を見てだいぶ書きやすくなった。
一時脱退していたメンバー(斎藤)も次のようにコメントしている。

「3人になったmyeahnsがマジで良くなかったから(笑)。まず亮太君がギターを持って唄ってるのがサイアクだった」

「亮太君がギターを持って唄うようになって、なんかその辺にいるようなバンドみたいになっちゃったなと思って。」

自分もそんな印象だった、というか自分が思っていた以上にひどい言い様だけど(笑)

(3ピース以前を聴いても印象は同じだったかもしれないが、自分が聴いたのは3人ピース時代の曲だった。)

売れてる売れてない関係なく、ランブルズを見たときは「自分たちが自分たちの真骨頂だと思ってる音楽をやってる」という手応えや生命感みたいなものがあった。

技術も経験もなくても、少なくとも「どこにでもいるバンド」とは感じさせない何かがあった。

2019年、マヤーンズの1st full album「Masterpiece」を聴いて

逸見亮太のことはそれでも引っかかるものがあったんだと思う。

この間新譜のリリース情報を見かけて気になった。
しかもアルバムタイトルが「マスターピース(傑作)」。

相当な気負いと自信がなければなかなかつけないタイトルだ。
もう一度期待して聴いてみたいという気分になって、「ローズマリー」のMVを観てみた。

感想は記事タイトルの通り。
13年前のちょうど今頃、初めて見た時みたいにMVの逸見亮太はキラキラしていた。

淡々とした文章なので全然伝らないかもしれないけど、涙腺を刺激されまくったし、心から震わされた。

歌い方の節は清志郎ぽくなってたり、予想外に結構ダイレクトにドレスコーズやボヘミアンズを感じたりもする。

でも、そんなことより何より、逸見亮太が生き生きとしてるように感じた。
存在そのものが100%声と曲にのっかってるような。照準と方向性が迷いなく1点に絞られてるような。

全てのピースがカチッとハマって、「そうそうこれが自分の知ってる逸見亮太だ」と思い出させてくれたような感覚。

とりたてて、ドレスコーズやボヘミアンズと比べて「断然すごいバンド」というわけじゃないだろう。
でも個人的に断然好きなのは、やっぱり自分は逸見亮太という人の音楽と声が好きなんだと思った。

正直、この一曲でもう十分満足だった。
そんな見くびった心構えで、サブスクでアルバムをフルで聴いてみて驚く。

本当に名前負けしてない完成度の高い名盤だった。
夜中の0時過ぎに聴き始めて、いつの間にかどんどんボリューム上げて爆音で5回くらいリピートしてしまった。

「デッカバンド」とか前も聴いてるはずなのに、断然良く聴こえるのはどういうことなんだろう。
どう考えてもライブで聴いたら「より気持ちいい」だろう。

もしかしたら、もしかするとだけど、マヤーンズは本当にもの凄いバンドなのかもしれない。
そんな風に思い始めている。