今回で3回目の「今年よく聴いたアルバム10枚」を発表。
2017年に続き、完全に時期外れになってるので、次回から改めたいところ。
(この手の記事は今のところほとんど読まれないんだけど)

今回から作品のリリース年はその年のものに限定。
次からは邦楽と洋楽に分けることも考えてます。

今年選んだものはアルバム自体というより、アーティスト全体で(他のアルバム含めて)ハマったものが多いです。

2018年のリリース作品より聴いたアルバムがある場合はそれもピックアップしてます。

1位 Have a Nice Day! 「Dystopia Romance 3.0」

2011年頃から活動するジャンク・ディスコ・バンドの5th。

本人が言うように色々と歪なところがあり、満遍なく高スコアはつけられないかもしれない。
でも、中毒性の高さ、オリジナリティなど突出していて、昨年最も惹きつけられたバンドだった。

少なくとももう「無名」の域は脱しているが、今年はもっと跳ねて欲しいなと思う。

実際、一番リピートしていたのは2016年リリースのベスト「Anthem for Living Dead Floor」。

2位 THE GO TEAM 「Semicircle」

イギリスのヒップホップ/ロックバンドの5th。
これも「Semicircle」自体は2位にあげる程ではなかったが、とにかく全アルバム通してハマった。

自分自身面白かったのは、ゴーチームは毎作品一応チェックしてるはずなのに、一回もピンと来たことがなかったこと。
それが昨年たまたま「The Art of Getting By」を聴いた瞬間、鳥肌が総立ち。

全アルバム聴き返してみたら全曲「こんな良かったっけ??」という聴こえ方の変わりようで、改めて作品の印象は「そのときの暫定的なもの」と思わされた。

どのアルバムも聴いてて本当に気持ちよく、「音楽って楽しい」という当たり前のことを体感させてくれる。
一番ハマったのは4th「The Scene Between」。

3位 The Voidz「Virtue」

The Strokesのフロントマン、ジュリアン・カサブランカスのサイドプロジェクトの2nd。

これはジャケット見た瞬間に名盤を確信。
strokesの4th「Angles」に近いテイストだけど、「Angles」にはない力強さを感じる。

中身も「Angles」はジャンルが混在している雑食性だったが、「Virtue」はより混然とした、コラージュのような一体感のある雑食性というか。
曲単位より全体で聴きごたえがあって、アルバムを通して聴く必然性が高められた作品だと思う。

でも、ストロークスに比べると評価はイマイチなのだろうか?
どこかでジュリアンが言っていた「ストロークスが好きで「Virtue」がイマイチなのはよくわからない」というコメントは素直にうなづける。

4位 The Interrupters 「Fight the Good Fight」

RANCIDのTim ArmstrongがプロデュースしているTHE INTERRUPTERSの3rd。
これは問答無用でスゴイ。確実にスカパンク史に残ると直感させられた。

リードソングを聴いた瞬間ワシ掴みにされたんだけど、アルバム通してそのテンションを保っている。
紅一点のヴォーカル、Aimee Allenのハスキーかつセクシーな声も病みつきになる。

これは3rdも聴きまくったけど、紙一重で2nd「Say It Out Loud」がベスト。

5位 あいみょん 「青春のエキサイトメント」

少し前から「今後が楽しみ」と期待してたけど、その「今後」がこんな早く、こんな爆発力で来るとは予想を超えすぎていた。

2019年の新作「瞬間的シックスセンス」は「サブスクですませちゃいけない」という謎の強迫観念にかられて、何年かぶりにCDを買ってしまった。

ただ、アルバム全体を通してみると、どこか未完成の余白を感じる。
それは「まださらにもう一段飛ばしの進化がありそう」という予感に近いかもしれない。

「ジェニファー」はあいみょん的「リンダリンダ」らしく、曲的にも一番良いし、ブルハ好きとして嬉しかった。

6位 Snail Mail「Snail Mail」

アメリカの女性シンガーソングライターの1st。
正直、特に強い思い入れがあるかと言ったら、そうでもないし詳しくも知らない。

でも、洋楽女性SSWを色々聴いた中で、一番際立ってたし、一番よく聴いていた。

メロディラインはけっこう素朴でクセがなく、日本人にも馴染みやすい。
一度ランダムで聴いてたらイントロで「藤原さくら?」と勘違いしたことがあって、日本人が日本語の歌詞を載せても普通に成立しそうな気がする。

それでいて、すみずみまで確固とした世界観を感じさせて、独特の空気感に満ちている。
ハタチくらいのメジャーデビュー作でこの完成っぷりは本当にスゴイ。

7位 CHVRCHES「Love Is Dead」

イギリスのエレクトロポップバンドの3rd。
正直、特に強い思い入れがあるかと言ったら〜part2。

でも、Snail Mailと同じく、よく聴いていた同ジャンルの中で明らかに際立っていた。
ゴーチームと違って元々好きだったけど、今作はさらにグッとスケールアップしたと感じた。

ビジュアルは今作で初めて見たのだけど、可愛らしさも頭一つ抜けてて、それにも今更ながら驚いた。

8位 中村佳穂「AINOU」

女性SSW中村佳穂の2nd。
年末からテレビで取り上げられたり、米津玄師にツイートされたりで脚光を浴びているようだ。

注目されてる理由の一つは捉えどころのない新しい音楽性だろう。
テレビで音楽プロデューサーが「どう説明したらいいかわからない」と言っていたので、素人の自分に何か言えるはずもなく。

これだけリピートした個人的な理由を考えると、
聴き終わるとメロディラインが頭に残らないので、その「輪郭をもう一度なぞりたい、確かめたい」という気分にかられるから、と言えそうだ。

中村佳穂の歌は、暗闇の中、手持ち花火をくるくる回した時に浮かぶ光の残像みたいだと思う。

(今書きながら「アイアム主人公」聴いてて気づいた。ずっと部分的に中村の歌い方に既視感を感じたんだけど「じゃがたら」だ。これはたまたまだろうか)

9位 揺らぎ「Still Dreaming, Still Deafening」

日本のシューゲイザーバンドの初の全国流通盤。
これもジャケットがすごく良い。そして、蓋を開けてもその期待感を裏切らない。

正直、1曲目は「ちょっときのこ帝国っぽい」くらいの感じだったけど、通して聴き終わる頃にはそんな印象は消えていた。

きのこ帝国より、もっと幹や根っこの部分でシューゲイザーを鳴らしているように感じる。

楽器がボーカルを際立たせるのではなく、楽器をより際立たせるようなウイスパーボイスも珍しいし面白い。

10位 haruka nakamura 「アイル – EP」

これまでNujabesらと共作をしている音楽家で、「アイル」はapple musicを見る限り9作目。
「アイル」だけ女性ボーカルが入った歌もので、他はインスト作品。

どこかデジカメではなく、フィルムカメラのようなローファイな雰囲気が魅力的だ。
特に夜中や普通の歌モノが重い時間帯によく聴いていた。

デパートの閉店時に流れる音楽のように1日の終わりによく合うアルバムだと思う。

さいごに

記事を書いてて、ハマったアーティストでも周辺情報をあまり知らないなと改めて思った。
そういう聴き方も全然良いんだろうけど。

今年から他ジャンルの記事は移転して音楽ブログにしたので、次回からはもう少し参考になるレビューを書けるように意識していけたらと思う。