
「憧れてきたんだ」「君はロックを聴かない」など、あいみょんの歌の歌詞には「憧れのミュージシャン」が出てきます。
それに、あいみょんの歌からは一昔前の音楽の匂いがするので、「あいみょんが影響を受けた音楽を知りたい」というファンはきっと多いでしょう。
特に「マリーゴールド」は90年代J-POPを通過した人間に嬉しい既視感と、「なぜ、ハタチくらいの女の子が?」という疑問を感じさせ、そういう意味でも強いインパクトがありました。
(きっと編曲者の存在も大きいでしょうが)
自分も「あいみょんの音楽遍歴」が気になって、テレビや雑誌、ネット記事などでチェックしてきたので、ザッとまとめたいと思います。
参考にした媒体は記事下部にまとめて記載してます。
あいみょんが影響を受けたアーティスト&好きな音楽を3つに分類して紹介
確認できたものだけでも40組近くいるので、次の3つに分類。「PICK UP 9組」だけコメント付きで紹介します。
(何組かかぶってるアーティストもいます。)
- 【PICK UP】特に強い影響を感じるアーティスト 9組
- それ以外に名前が挙がったお気に入りのアーティスト 9組
- 2018年のMステ出演時にステージ背景で流れたCDジャケット 20組以上
【PICK UP】あいみょんの音楽から特に影響を感じるアーティスト 9組
自分も好きなアーティストばかりで、ジッタリンジンとブルーハーツは特にファンなので、この2組はちょっと贔屓(ひいき)してPICK UPに入れてます。
- スピッツ
- 浜田省吾
- 河島英五
- フリッパーズギター / 小沢健二
- 尾崎豊
- 吉田拓郎
- andymori
- ブルーハーツ
- ジッタリンジン
スピッツ
1991年にデビューしたvocal草野マサムネを中心としたロックバンド。
「ロビンソン」「チェリー」などでミリオンヒットを記録した、90年代を代表するバンドの一つ。
あいみょんは10歳くらいの時に「春の歌」を聴いてスピッツのファンに。
「確実に影響を受けてる瞬間はたくさんある。」と語り、影響を受けた1曲として「醒めない(2016)」を挙げています。
初めてスピッツに会った時は号泣したそうで、後にライブでも共演を果たしています。
「マリーゴールド」を聴いた時、真っ先に思い浮かんだのがスピッツの「ロビンソン」でした。
中性的な声に、どこか懐かしい雰囲気。高い普遍性とオリジナリティの共存。そして王道のPOPS感にスピッツの遺伝子を感じます。
浜田省吾
1976年にデビューし、「悲しみは雪のように」「J.BOY」などのヒット曲をもつシンガーソングライター。
愛称は「ハマショー」、サングラスがトレードマーク。
音響の仕事をしている父親が大ファンで、その影響で聴き始めます。
強く影響を受けた1曲として「初恋(2005)」を挙げています。
こちらも幼い頃から聴いてたルーツと聞いて納得。
情緒溢れるメロディとドラマチックな歌詞がすごく近いです。
小沢健二 / フリッパーズギター
1989年、小山田圭吾とのユニット、フリッパーズギターでデビュー。
1991年に解散し、以降はソロのシンガーソングライターとして活動。
1994年にスチャダラパーとコラボした「今夜はブギーバック」は50万枚を超えるヒット曲となる。
小沢健二、フリッパーズギターに出会ったのは高校生の時。
(小沢健二自体はもっと前から知っていたようなので、「ちゃんと好きになったのは」という意味合いかと)
その頃にハマった「青春の一曲」として「ラブリー」、「100年後も残したい曲」としてフリッパーズギターの「恋とマシンガン」を挙げてます。
あいみょんが一番最初に目指していた音楽性はオザケンやフリッパーズギターだったそうです。
これはちょっと意外でした。
本人が「小沢健二は真似できないからこそ惹かれる」と言ってるように、曲からはあまり直接的な影響は感じません。
河島英五
1975年にメジャーデビューした、シンガーソングライター。
「酒と泪と男と女」「時代おくれ」などのヒット曲を持つ。
祖母の影響で聴き始め、15歳のときに初めて作った曲は河島英五を意識したものだったそうです。
その曲は「分かってくれよ」で、インディーズ時代にリリースした「tamago(2015)」に収録されてます。
これも河島英五の話を聞いてから「分かってくれよ」や「ほろ酔い」を聴くと、「確かに」と納得。
そもそもハタチの女の子から素で「ほろ酔い」の歌詞が出てくるわけないですからね。
河島英五に限らずですが、意識的に真似してるというより、身体に染み込んでるものが滲み出てきてる感じがします。
尾崎豊
1983年、高校在学中にメジャーデビューしたシンガーソングライター。
若者の心情をストレートに赤裸々に歌い、時代を象徴する存在になるが、26歳の若さで急逝。
「がっつりハマった」アーティストとして尾崎の名前を挙げてます。
インディーズの「tamago・憎まれっ子世に憚る」を聴いた時に感じたのが、尾崎や次の吉田拓郎といったフォークロックの影響でした。
特に、赤裸々な感情をストレートにぶつけてくる感じが尾崎っぽい。
余談ですが、尾崎には死後リリースされた「風にうたえば」という未完成の名曲があります。
この曲はあいみょんが歌えばめちゃくちゃハマるだろうし、ぜひあいみょんのカバーで完成させて欲しいなとひそかに願ってます。
吉田拓郎
1970年、「イメージの詩」でデビューしたシンガーソングライター。
日本のシンガーソングライター、フォークソングの草分け的存在。
代表曲は「落陽」「結婚しようよ」「旅の宿」など。
尾崎と同じく「がっつりハマった」歌手として名前を挙げてます。
「マリーゴールド」の「麦わら(の)帽子」という歌詞からは、拓郎の「夏休み」が思い浮かびます。
あいみょんのインディーズ時代は尾崎豊・吉田拓郎・河島英五といった歌謡曲、フォークロック寄り。
メジャーデビュー後はスピッツ、浜田省吾といった王道ポップス寄り、という傾向が見えます。
それは【フォークの自分目線の赤裸々な言葉】から【ポップスの万人が投影しやすい抽象性を増した言葉】への変化とも言え、それがファン層の拡大と大ブレイクに繋がった一因としてあるような気がします。
andymori
ボーカルの小山田壮平を中心とした3人組ロックバンド。
2009年デビューし、2nd「ファンファーレと熱狂」は第三回CDショップ大賞を受賞。
2014年に解散し、小山田は現在シンガーソングライター長澤知之らとの新バンドALで活動中。
あいみょんの「夢追いベンガル」はandymoriファンが聴いたらすぐにandymoriだとピンと来ると思います。
あいみょん自身もインタビューで「完全に小山田壮平さんへのリスペクトを込めています。」と公言。
タイトルだけでなく、曲調やMVからもひしひしとandymori愛を感じます。
andymoriはUKガレージロックバンドの影響から「和製リバティーンズ」と呼ばれたりするんですが、自分の中ではあいみょんと同じくフォークロックという印象が強いです。
「リバティーンズ」をダイレクトに感じる邦楽バンドというとOKAMOTO’SやDYGL、Bohemians。
もちろん、あいみょんからも全然UKガレージロックの影響は感じません。
THE BLUE HEARTS
1985年にデビューし、日本中に大きなインパクトを与えたロックバンド。
1995年の解散後も、ボーカルの甲本ヒロト、ギターの真島昌利はコンビを続け、現在はクロマニヨンズで活動中。
(公式のものはないため、動画はナシ)
「青春のエキサイトメント」収録の「ジェニファー」はブルハのデビュー曲「リンダリンダ」にインスピレーションを受けて作った曲だそうです。
─すごく印象に残る曲ですよね。この曲はどういう思いで作ったんですか?
この曲はTHE BLUE HEARTSの代表曲「リンダリンダ」について(甲本)ヒロトさんが語ったインタビューを読んでインスピレーションを受けて書いた曲ですね。「この“リンダ”ってどういう存在なんですか?」っていう質問を受けたヒロトさんが「リンダっていうものはなんでもない存在。名前でもないし人でもない。みんなの想像の中で作り上げていくもの」みたいなことを言われてたんですよ。それってすごくいいなと思ったんです。私がこの曲で歌う「ジェニファー」はヒロトさんが言う「リンダ」と同じで、みんなの中にあってほしい存在と言うか……。
─「ジェニファー」はあいみょん流の「リンダリンダ」なんだ。
そういうイメージでした。
「リンダリンダ」という歌詞は「特に意味はない。自由に歌っていい」という意図から歌詞カードにも記載されてません。
さっき「ジェニファー」のサブスクの歌詞情報見たら「ジェニファー」はちゃんと記載されてますね。
JITTERIN’JINN
1990年にバンドオーディション番組「いかすバンド天国」出場がキッカケでブレイクしたロックバンド。
デビュー後すぐに大ヒットした「プレゼント、夏祭り」は今だに人気が高く、広い世代で聴き継がれている。
2011年以降、実質的に活動休止中だが、2019年4月に公式youtubeチャンネルが開設される。
好きなミュージシャンとしてジッタの名前を挙げ、歌詞の影響を語っています。
女性アーティストはやっぱり極端なんですよ。たとえばJITTERIN’JINNさんの『プレゼント』の歌詞とかも極端じゃないですか。女の子は極端だからこそ面白いのかもしれない。
あいみょんはラジオ番組に出演した際、何回かジッタの「プレゼント」を選曲。
また、「シブヤノオト」というテレビ番組では、あいみょんのスマホに「ハッピーカムカム」というテプラが貼ってあったんですが、これはジッタのアルバムタイトル。
あいみょんが度々ジッタの名前出してくれるのは元ジッターズ(ジッタのファンクラブ会員)としてホント嬉しいです。
あいみょんが影響を受けたアーティスト&好きな音楽 9組
一覧で済ませるのは気がひける、そうそうたるラインナップですが。
曲名を挙げてたものは曲名も書いてます。
- 奇妙礼太郎 「エロい関係」
- オレンジレンジ 「musiQ」(Album)
- ソウル・フラワー・ユニオン 「満月の夕」
- 神聖かまってちゃん 「ロックンロールは鳴り止まないっ」
- 石崎ひゅーい 「僕がいるぞ!」
- 原田真二 「タイムトラベル」
- マイケル・ジャクソン&ポール・ マッカートニー 「The Girls is Mine」
- 松任谷由実
- 平井堅
あいみょんがMステ出演時のバックで流れたCDジャケット
2018年2月16日のMステで「君はロックを聴かない」を歌った際、ステージ背景にCDジャケットが流れるという演出がされました。
どんなCDかは説明されなかった(はず)ですが、邦楽のラインナップから考えると、洋楽含めて、あいみょんが聴いてきた好きなアルバムでしょう。
全部で25組確認できたんですが、6組ほど確認できませんでした。
- 小沢健二 「LIFE」
- 浜田省吾 「J.Boy」
- スピッツ 「ハチミツ」
- andymori 「ファンファーレと熱狂」
- BOOWY 「マリオネット」(single)
- エレファントカシマシ 「今宵の月のように」(single)
- ザ・イエローモンキー 「JAM」(single)
- ドゥービー・ブラザーズ 「ミニット・バイ・ミニット」
- テレビジョン 「マーキー・ムーン」
- トーキング・ヘッズ 「リメイン・イン・ライト」
- リッキー・リー・ジョーンズ 「浪漫」
- ジャクソン・ブラウン 「ジャクソン・ブラウン・ファースト」
- ドナルド・フェイゲン 「ナイトフライ」
- ティム・バックリィ 「グッバイ・アンド・ハロー」
- ボブ・ディラン 「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」
- ドアーズ 「ハートに火をつけて」
- ザ・ポーグス 「ピース&ラヴ」
- フォリナー 「4」
- スミス「ザ・クイーン・イズ・デッド」
- フリートウッド・マック 「噂」「フリートウッド・マック」
- ジョニ・ミッチェル 「ブルー」
- デビッドボウイ 「ジギー・スターダスト」
- レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 「カリフォルニケイション」
- イエス 「フラジャイル」
さいごに
あいみょんの影響を受けた音楽と好きなミュージシャンについてでした。
やはり、リアルタイムではない一昔前の男性シンガーが多いですね。
若いあいみょんのファンにウケないからか洋楽の話はあまり聞きませんが、洋楽も沢山聴くようです。
【追記】
気づくのがだいぶ遅れたんですが、2018年10月からあいみょんがMCの「MUSIC FREAKS」というラジオ番組が始まってました。
あいみょんのMCは毎週ではなく、隔週で月2回。
番組でかけた曲は番組ブログで掲載されてて、そのsonglistでもあいみょんの音楽の好みがわかります。
【再追記】
2019年9月にあいみょんのMCは終了。
songlist自体は番組ブログを遡れば確認できます。
●TV
「Love music(2018/11/19)」
「MUSIC STASION(2018/02/16)」
●ラジオ
「爆笑問題の日曜サンデー(2019/02/03)」
「SOUNDS GO FREE (2019/02/17)」
●雑誌
「ロッキングオンジャパン(2019/02)」
●Web
「『私は言いたいことを言い続けていく』あいみょん、反骨精神とユーモアのルーツを語る | Real Sound」
「あいみょんが100年後に残したい音楽 | マイナビニュース」
「あいみょん」ってなんだ?「あいみょん」がわかる9つのコト | meetia」
「MICO(SHE IS SUMMER)とあいみょんが語る、歌詞から見えてくる恋愛のエトセトラ – LOVELY CREATION #003 | meetia」
「あいみょん「瞬間的シックスセンス」インタビュー|怒涛の1年を駆け抜けた“ひかりもの” – 音楽ナタリー 特集・インタビュー」
"冷めない"ではなく"醒めない"ですよ~