【illustratorでイラスト制作を学ぶ】『絵を描く仕事を始めたい! illustrator キャラクター制作の教科書』

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『illustrator キャラクター制作の教科書』(廣まさき 著)でイラストの練習をしました。

【購入した理由】、【本の内容】、【作成したサンプル】、【感想とおすすめポイント】について書いていきます。

購入した理由

理由はシンプルに、絵を仕事にしたいと思い立ち、イラストを描くためのテクニックを学ぶため、です。

もう少し細かく理由を挙げると、

  • イラストを描くためのillustratorのテクニックを学ぶため。
  • 現役のプロのイラストレーターがどんな風にイラストを描いているのか知るため。
  • 今後の指針としてプロのイラストレーターと今の自分の距離感を測るため(プロになるには何が必要か/足りないか探るため)

などなどです。

現状の自分のスキルとしては、主にwebデザインのためにイラレ・フォオショを使用し始めて3,4年程。
作業の比率的には90%以上がフォトショですが、一通りイラレの知識もあるし特に苦手意識はないレベルです。

ベジュ曲線はマウスでは不自由なく描けるけど、ペンタブでの操作に慣れていないのでペンタブに慣れるため、という目的もあります。

使用してるペンタブはwacomのintuos 5。
3、4年前アドビソフトと同時に買って、最初の3ヶ月だけphotoshopで練習してそのまま封印している状態でした。

photoshopでのペイントは確実にマウスより、ペンタブの方が描きやすい。でもイラレではどうか?を確認する意味でも今回は全てペンタブで描いてみました。

先に結論を言うと、どの目的も叶って有意義な一冊でした。

ペンタブにもかなり慣れました。
マウスと比較してどうかと言うと、ベジュ曲線を描く上ではそこまで差はなく、鉛筆ツールなどフリーハンドで描く場合はマウスより大分描きやすいかなという感じです。

記事の最後でまた改めて感想をまとめます。

本の内容

内容をざっくり紹介。著書の『はじめに』から引用。

illustratorのイラストを描くために必要な機能をチョイスし、初心者にはレイヤーの仕組みやパスの基本から、中級者には『この機能でこんなイラストが描けるのか』といった新しい発見になれるよう、
ツールの機能別に解説、具体的にサンプルイラストの作成手順も公開し、『イラストを描くためのillustratorの本』としてまとめたものが本書です。

この本には、私が仕事で使っている、ほぼすべてのテクニックを掲載しました。

サンプルイラストの作成を通して、テクニック・手順を解説していくという形になっていて、サンプルは全部で7つあります。

流れとしては、①【基本】でそれぞれのイラストで使う技術を学ぶ
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②【実習】で手順の解説を読みながら実際に作成
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③【応用編】で+αのテクニックを学ぶ、という構成になってます。
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元となる下絵は下記のURLで配布されているので、それを元にトレースするという形になります。
(なので、イラスト自体を描くのが主旨ではなく、下絵を元にイラレで着色し、完成させるスキルがメイン)

http://gihyo.jp/book/2014/978-4-7741-6229-4/support
下絵の他にも完成したaiファイルと素材も配布されてます。

作成したサンプルイラスト

実際自分で作ったサンプルイラストです。下絵をトレースしてるので形はほぼ見本通りで、配色もほぼ同じになってます。

第1章 図形の組み合わせでキャラクターを描こう

シンプルな図形の組み合わせでイラストを描く方法。

●テクニックポイント
①新規ドキュメントを作成できるようになる
②図形のオブジェクトを作れるようになる
③オブジェクトやアンカーポイントを選択、移動する

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第2章 ペンツールでキャラクターを描こう

ペンツールを使ってイラストを描く方法。

●テクニックポイント
①[ペン]ツールと[選択]ツールで自由自在にパスを操れるようになる
②[線]と[カラー]の設定をマスターする
③他のアプリケーションで作成した画像ファイルを扱えるようになる

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第3章 俯瞰イラストを描こう

ゲームなどでよく使われる、俯瞰イラストの描き方。

●テクニックポイント
①アートボードを数値通りに作れるようになる
②ガイドをマスターする
③指定通りに書き出しができるようになる

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ここまでは知識もイラストも比較的簡単なので、結構サクッと進めました。

第4章 着せ替えアバターを描こう

着せ替え可能なアバターの描き方。背景は自分なりのアレンジで追加しました。ドクロもチェック柄もフリー素材。

●テクニックポイント
①グラデーションでニュアンスを出す
②クリッピングマスクの作り方を覚える
③パターンを作る
④[透明]パネルを使って影をつける

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3章までと比べるとグッとレベルは上がります。

配布されてる見本の下絵は線も形もラフなので、自分で主線を見極めてトレースしていくのも難しいかもしれません。
そういう場合は、完成品を横に並べたり、完成品自体を下絵にするのもアリだと思います。

自分も第4章からはそのどちらかで作ってます。

第5章 アニメ風キャラクターを描こう

線画をベースに色を塗っていく、アニメ風キャラクターの描き方。

●テクニックポイント
①画像トレースで画像を変換できるようになる
②ライブペイントで色を塗れるようになる

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これも背景だけ若干アレンジしてます(見本は黄色一色のハーフトーン)。

第6章 コミックイラストを描こう①

アナログ感のある柔らかいテイストのイラストの描き方。

●テクニックポイント
①ブラシで素材感のある線を引く
②テクスチャを貼って質感を表現する
③エンベロープを使って柄を布に沿わせる

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これだけ、サンプルと同じ配色ではなく、全体的に自分なりに色を考えてみました。↓が見本。

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見本を見ると、最初形の良さに目がいきますが、自分で着色してみると色が凄く良いのに気づきます。
(今改めて見比ると、特に見本の方が背景が薄くてキャラの存在感がしっかりしてると感じる。)

各色が調和しているのと同時に際立たせ合っていて、正に『職人』だし、正に『商品』だなと感じます。

第6章 コミックイラストを描こう②

ゲーム風のソリッドなテイストのイラストの描き方。

●テクニックポイント
①[線幅]ツールで線に強弱をつける
②[ブラシ]パネルでオリジナルブラシを作成する
③[スウォッチ]パネルでカラーをコントロールする

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これは見た目通り一番時間かかりました(多分20時間以上)。

やっていることは各パーツに基本の色と陰と明るい部分を乗算やスクリーン等で重ねていくということの繰り返しなんですが、量的に結構ハードでした。

そして、これも配色・色の作り方が凄いなと思いました。

各パーツに着色後、全体に暗いトーンのグラデーションを乗せたり、予測が難しい描画モードを多様に駆使してたり、かなり重層的にバランスをとっているので、本当に慣れてないと調整できない仕上がりだと実感します。

感想とおすすめポイント

現役で活動されているイラストレーターさんの実用的なテクニックを広く見渡せたのが何よりの収穫でした。

初見の知識はそこまでなかったですが、『このツールをこんな風に利用するんだ』という発見は沢山ありました。
宝石の光り方とか『こうすればそれっぽく見えるんだ』とか、参考になったテクニックは挙げきれません。

プロのデータを詳しく見られるということ自体、かなり貴重な体験だと思います。
イラレテク以外にもレイヤーのまとめ方から、設定の仕方、細かいレイアウト・キャラの見せ方まで幅広い面で勉強になりました。

オススメできる読者の対象としては、一概に初級者向け・中級者向けで括れない気がします。

一冊目として手に取る人やベジュ曲線が凄く苦手という人には難易度は高めかと思います。
最初は体系的に解説した本やベジュ曲線に特化した参考書の方が良いかもしれません。

ただ、イラレの知識にも一通り触れられるし、イラストが魅力的なので、味気ないサンプルではつまらないという人には初心者でもオススメだと思います。

イラレを使ってイラストを描けるようになりたいと思ってる人には間違いなく参考になる一冊だと思います。

最後に

最後に、個人的に発見だったことを2つ。

一つは本の冒頭でも触れられてますが、イラレは『手の癖に左右されない』イラストが描けるということ。
直に手で描くフォトショより『自分らしさ』を抑えられて、作風の幅を広げやすそう、という手応えを感じました。

2つ目は、デフォルメされたイラストでも現実を模倣しているということ。

例えば、4章以降のキャラは全部、瞳の上にまぶたの影ができています。
これはリアルな人間の目をちゃんと観察していないと気づけない部分だと思います。

また、6章①の少女漫画風のイラストは奥の足がぼやけた感じで薄くなってます。
これはおそらく遠近感・立体感を出すためにデッサンでよく用いられるテクニック。

イラストの勉強の一環でデッサンにも興味を持っていたんですが、やはり一度デッサンを勉強してみようと改めて思いました。

 

【追記】
2016年6月に同じコンセプトでより易しめの参考書も出版されたみたいです。
illustrator自体に慣れてない方はこちらから手にとった方が良いかもしれません。