ジッタリンジンのほぼ全ての作詞作曲を手がける破矢ジンタ(Gt)による提供曲を紹介します。

自分はジッタのWikipediaを参考に聴いてみたので、知ってるのはwikiに載ってる曲のみ。
おそらく、この3組で全部だと思うんですが、もしかしたら他にもあるかもしれません。

破矢ジンタによる楽曲提供アーティストと提供曲 全6曲
① 酒井法子「おとぎ話のシンデレラ」「やあねⅡ」
(「マジカル モンタージュ カムパニー(1991)」収録)
② 篠原ともえ「20回目のバースディ・イヴ」
(「DREAM&MACHINE(1999)」収録)
③ 宮村優子「福の神」「大四喜」「僕の体温は37.5℃」
(「大四喜(1999)」収録)

宮村優子の「僕の体温は37.5℃」だけ作詞宮村、作曲宮村・破矢の共作。
他は全部、破矢ジンタ作詞作曲です。

また、サブスクで配信してるのは酒井法子のみで、それ以外は今のところ未配信です(2020.01)。

記事タイトルの「未発表曲」というのは宮村優子の「福の神」はジッタでも制作していて、「ジッタとしては未発表曲」ということです。

あと、宮村優子の「大四喜(ダイスーシー)」だけジンタさん関係なく(関係ないこともないけれど)、色んな意味でスゴいアルバムなので、ちょっと多めに書いてます。

破矢ジンタによる提供アーティスト①酒井法子 (1991)

酒井法子の1991年7月21日リリースの9thアルバム「マジカル モンタージュ カムパニー」に2曲提供してます。

提供曲は「おとぎ話のシンデレラ」「やあねⅡ」。

酒井法子は1995年の大ヒット曲「碧いうさぎ」しか知らないので、当時どんな感じだったかは全く分からず。

でも、1987年に歌手デビューして4年で9枚もアルバム出してるので、スゴい勢いだったんでしょうね。

1991年はジッタもブレイクしてる最中なので、その勢いでご指名があったのかなと想像してます。

他の作曲陣も豪華。

阿部義晴(ユニコーン)「風邪」「こんな事でもいってみようかな」
大木知之(トモフスキー/元カステラ)「かくしゴトをしよう」「悲観の国からこんちにわ」「昨日の今日なのに」
土橋安騎夫(レベッカ)「モンタージュ」「あなたに天使が見える時」
近藤敦(バービーボーイズ)「あかんべ」「air」

「おとぎ話のシンデレラ」「やあねⅡ」

アルバム全体の感想は、正統派アイドルの歌うJ-POPの良曲という印象。
破矢ジンタ作詞作曲の「おとぎ話のシンデレラ」「やあねⅡ」もおおむね同じ感想です。

他の提供曲と比べると、ジッタっぽくはなく、言われないとジンタさんの曲って分からなかったと思います。

「やあねⅡ」は少しぽいかな。タイトルも。
(「Ⅱ(ツー)」ってことは「Ⅰ」もある?)

でも、篠原・宮村の提供曲は一瞬でジンタさんの曲って分かるので、それと比べるとジッタ色は薄いです。
もちろん、ジッタ色が強くなければいけない訳ではないですが。

破矢ジンタによる提供アーティスト②篠原ともえ(1999)

DREAM&MACHINE [amazon]

篠原ともえの1999年3月25日リリースの3thアルバム「DREAM & MACHINE」に1曲提供してます。

提供曲は「20回目のバースディ・イヴ」

篠原ともえも特に詳しくはないですが、ミュージシャンとしての活動は何か核のようなものは見えてこない印象。

デビュー時は石野卓球の弾けたテクノポップで、本作の直後は「tomoe」名義でジャジーな大人路線に転向してますからね。

どれもハマってはいるんですが、どこか方向性が定まらずフワフワしてる印象もあります。

「20回目のバースディ・イヴ」

自分は好きなミュージシャンの提供曲は、あまり進んで聴かないことが多いです。
その理由は、なんだかんだ言って「本人の声やバンドで聴きたい」と思ってしまうから。

そういうどこか口惜しい気持ちになることが多いので、あまり積極的に聴かないんですが、篠原ともえの「20回目のバースディ・イヴ」もまさにそのパターンでした。

つまり、すごくジッタらしい名曲ということ。
ジンタさん提供曲の中でも一番「ハルちゃんの歌声とジッタの演奏で聴きたい!」と思わされました。

しいて言えば、近い曲は「雨上がり」や「黄昏」「お月さん」。
篠原ともえのボーカルもしっくりくるんですが、聴いてると頭の中で春川玲子の声と姿が浮かんできます。

これはジッタで歌っていれば、ファンの間でもかなりの人気曲になったんじゃないかなと思います。

破矢ジンタによる提供アーティスト③宮村優子(1999)

大四喜 [amazon]

宮村優子の1999年8月25日リリースの8thアルバム「大四喜(ダイスーシー)」に3曲提供してます。

提供曲は「福の神」「大四喜」「僕の体温は37.5℃」

「大四喜」って麻雀用語っぽいと思ったら、当たってました。
表題曲「大四喜」も麻雀がテーマの曲です。

そのほかも全体的に中国や和テイストなアルバムになってます。

宮村優子は言わずもがなエヴァのアスカで有名な声優。
自分はアニメは見てないけど、エヴァ関連の曲はファン以上に聴いてるかもしれません。

宮村優子の「心よ原始に戻れ」も神曲。

「福の神」

「福の神」はファンクラブ「ジッターズ」の1999年の会員特典シングルでもあります。

なので、これは春川玲子バージョンもあります。聴いたことないけど。

アコーディオンの音色が印象的で、ユニークで陽気で可愛らしいジンタさんらしい一曲。
しいて言えば「にちようび」に近い印象です。

「大四喜」

この曲も中国テイストなアレンジと麻雀用語を散りばめたユニークな楽曲。

予備知識なく聴くと、ところどころ日本語と中国語っぽい言葉が混じっていて「何言ってるか分からないし、どういう歌詞?」ってなると思います。

要は、麻雀用語がダジャレのように掛かっていて、「大四喜(ダイスーシー)」は「大好き」という意味みたいです。

「僕の体温は37.5℃」

この曲だけ作詞宮村、作曲宮村・破矢の共作です。

演奏はまさに2000年頃のパンキッシュなジッタサウンド。
曲の始まりのドラムは「GOOD LUCK」だし、スカのリズムを刻むアコーディオンもジッタらしい。

でも歌のメロディラインは全然ジッタっぽくないので、おそらく歌の部分は宮村優子が作ってるような気がします。

サビの「僕は命がけ君にフォーリンラブ」という歌詞も絶対ジンタさんからは出てこなさそうなワードで、クレジット通り「宮村+破矢」という曲に仕上がってます。

「大四喜(ダイスーシー)」その他の収録曲

↓まず曲と歌詞の提供者の名前を見てビックリしました。

ノストラちゃんまつり作詞:みやむらゆうこ
作曲・編曲:長谷川智樹
名探偵は人生を答えず作詞:大槻ケンヂ
作曲:関口和之
編曲:長谷部徹
福の神作詞・作曲・編曲:破矢ジンタ
Ruktun or Die作詞・作曲・編曲:平沢進
12才の旗作詞:戸川純
作曲・編曲:中原信雄
大四喜作詞・作曲・編曲:破矢ジンタ
けっせらせら作詞:弥勒
作曲:ΦKI(THE STREET BEATS)
編曲:三柴理・塩野啓一
秘密結社〜金曜日の黒ミサ作詞:戸川純
作曲・編曲:戸田誠司
途中でねるな作詞・作曲:大木トモユキ・長谷川ヒロシ
編曲:三柴理・塩野啓一
褌ファイター作詞:横山武
作曲・編曲:野村義男
おめでたパンダ作詞:みやむらゆうこ
作曲:長谷部徹
編曲:長谷部徹+straight2heaven
山道と観世音作詞・作曲・編曲:三柴理
僕の体温は37.5℃作詞:みやむらゆうこ
作曲:みやむらゆうこ・破矢ジンタ
編曲:破矢ジンタ

一番驚いたのが平沢進と戸川純(ヤプーズ)。
2人の作品以外で名前を見かけるのはかなり意外でした。

しかも、破矢・平沢・戸川という並び…。「異才たちの饗宴」感がスゴい…。
麻雀知らないのでなんとなくですが、きっと「大四喜」並みのレア度。

その他も筋肉少女帯の大槻ケンヂ、ストリートビーツのΦKI(オキ)、トモフスキー(大木トモユキ)、ギタリストの「よっちゃん」こと野村義男と、豪華というか、とにかく個性的な顔ぶれ。

内容も色んな意味で濃くて、分かりやすい名曲揃いという訳ではないんですが、稀代の迷盤にして名盤だと思います。

特に平沢進の「Ruktun or Die」は「平沢にしか作れない」と「宮村にしか歌えない」ががっぷり4つに組んだ神がかった一曲になってます。

さいごに

聴く方法を確認しておくと、サブスクで聴けるの酒井法子だけ。

篠原ともえは中古でも手に入りやすく、宮村優子は廃盤で中古で定価以上になってるようです。

ただ、別記事でも紹介した宅配レンタルか一部レンタルショップならレンタルでも借りられると思います。
自分も普通にレンタルで借りました。