【地図作成③-1】レイヤー階層を保ったままクリッピングマスクをかける

【地図作成③-1】レイヤー階層を保ったままクリッピングマスクをかける

地図作成を通してまとめていく、知ってると便利なイラレテクニック。
今回はレイヤー階層を保ったままクリッピングマスクをかける方法です。また、合わせてその状態でアートボードをオブジェクトに合わせる方法も説明します。

クリッピングマスクと問題点

『クリッピングマスク』とは、あるオブジェクトをマスク用オブジェクトの形にクリップし(切り取り)、それ以外の範囲をマスクする(隠す)ことです。つまり、マスク用オブジェクトの内側の範囲のみ見えるようにする機能
好きな額縁の形に絵を切り取るようなイメージかと思います。

地図作成で言うと図左のように、道路と線路をはみ出して作ったので、最後に外枠でクリッピングマスクをかけ、枠外にはみ出した道路と線路を見えなくします。

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手順としては、レイヤーの上部にマスク用の枠/オブジェクトを配置し、地図の各要素のレイヤーも含めて全選択。
command(Ctrl)+7(【オブジェクト】→【クリッピングマスク】→【作成】)で図右のようになります。

ただ、このやり方で問題なのは各要素ごとにレイヤー分けしていたものが、全てマスク用オブジェクトの<クリップグループ>レイヤーにまとめられてしまうということ。
また、レイヤーごとに設定していた効果も無効になってしまいます

【追記】 レイヤーのアピアランスではなく、オブジェクトごとのアピアランスに設定した効果は上記のように全部まとめてcommand+7でクリッピングマスクしても無効にはならない。

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そこで複数のレイヤーの階層と効果を保持したまま、クリッピングマスクをかけるために次のようにします。
(この地図では効果は使用していません)

レイヤー階層を保ったままクリッピングマスクをかける方法

手順は簡単です。

まずはマスク用オブジェクト(枠)を用意
地図の各要素のレイヤーをマスク用オブジェクトのサブレイヤーに移動

①で用意したクリッピング用の枠の下に配置します。

親レイヤーを選択した状態でメニューを開き、【クリッピングマスクを作成】をクリック

<パス>(枠)を選択した状態では【クリッピングマスクを作成】という項目はクリックできないので、そこだけ注意。

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これで各要素の階層はそのままでクリッピングマスクをかけられます。

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アートボードをオブジェクトに合わせる

クリッピングマスクをかけて完成したら、周りのいらない余白を消して、地図のサイズにアートボードを合わせて保存します。

しかし、【ファイル】→【ドキュメント設定】→【アートボードを編集】→【プリセット】→【オブジェクト全体に合わせる】だと地図のサイズにアートボードはなりません。

理由はアウトライン表示にしてみるとわかるように、【オブジェクト全体〜】だと隠しているだけの状態の線路や道路のオブジェクトも含んでしまうためです。

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そこで、以下の方法で地図の枠のサイズにアートボードを合わせます。
これも手順は簡単。

外枠を選択しておく。

表示用の一番上のレイヤーの『外枠』でも、クリッピング用の枠でも大丈夫です。

【プリセット】で【選択したオブジェクトに合わせる】をクリック

オブジェクト(枠)を選択した状態で【アートボードを編集】の【プリセット】を開くと【選択オブジェクトに合わせる】という項目がクリックできるようになるので、それをクリック。

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これでアートボードを地図に合わせたサイズにできました。

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ちなみにアートボード編集の状態にする方法はいくつかありますが、上記のようにメニューバーの【ファイル】やコントロールパネルの【ドキュメント設定】からいくと何手間もかかるので、『shift+O』(アートボードツール)で編集モードにするのが楽だと思います。

【補足】 地図のグレーの外枠を『外枠』レイヤー、地図のベージュの背景を『背景』レイヤーでそれぞれ設定してますが、クリッピングマスク用のパスだけで両方設定できます。
(パスの塗りを設定すると、レイヤーの上部にあっても、サブレイヤーの再背面の塗りになる)

別途、【追記】と【補足】について記事を書きました。
『【地図作成③-2】クリッピングマスクー追記と補足』
 
 
【その他イラレに関するTipsはコチラから】
『 +α テクニックまとめ イラストレーター編 ー目次ー』