ライブでの写真撮影について思った2つの結論

元々日本ではライブでの撮影が禁止になっているが、ここ数年その是非が話題になっている。
理由はおそらく次の要因から。

  • スマホの普及
  • ライブやフェスの増加
  • 新規の観客の増加
  • 海外のライブでは撮影OKが主流なため

自分自身、特に今年に入ってから撮影してる人を度々見かけるようになったので、改めてライブでのスマホ撮影について考えてみた。

スマホ撮影の個人的印象

最初にごくごく個人的な感想を言わせてもらうと、やっぱり撮影には抵抗がある。
ライブはその場の没入感や臨場感を楽しむもので、撮影はそんなライブの魅力を削ぐ行為だと思う。

それは撮影してる人だけの問題でなく、周りの客にも影響する。

スマホをかざせば後ろの人が見えにくくなる。
暗いフロアだったらフラッシュや液晶画面が浮かび上がって気が散る。
シャッター音もピアノやアコースティックの弾き語りなら耳に入る。

先月行ったバンドのライブでは、まさにそんな理由でさらに撮影の印象が悪くなった。
驚いたのは、人がぶつかり合う、いわゆるモッシュピットでも撮影する人が少なくなかったことだ。

写真だけじゃなく、動画を撮っててずっとスマホを掲げたまま。
モッシュピットで撮影してる人は、逆にぶつかってくる客が邪魔とばかりに踏ん張っている。
ステージの目の前でもフラッシュ焚いて撮影。

他の客やバンドメンバーも迷惑がってるだろうなと、気が散って仕方なかった。

で、案の定ネットにそのライブ動画が上がってる。
どれもあえてアーティスト側が許可してなければNGな行為だ。

スマホ撮影について意外だったこと

もしかしたら、こういう人はライブ初心者でマナーを知らないだけかもしれない。
確かに、モッシュやダイブも基本禁止となってるのに暗黙の了解でOKの場合が多いので、「それなら撮影もアリ」と思っても仕方がない。

そんな風に考えていたら、もっと意外だったことがあった。
ネットで「スマホ撮影は許可すべき」という意見が少なくなかったことだ。

そして、その理由に「時流に合っていない・バンドの宣伝になる・業界全体の利益になる」といった【合理的な理由】や【大義】をあげてることも意外だった。

自分は「撮影=自己満足の迷惑行為」という認識だったのでハッとさせられた。

なるほど、撮影してる人の中には、むしろ「撮影禁止の方がおかしい」と思って堂々と撮影してる人もいるのかもしれない。

スマホ撮影問題はどうすべきか?思い至った2つの結論

最初に否定的な主観を書いたけど、一番に思うのは「ライブはどんどん広まって欲しいし、アーティスト・観客・業界全体にとって何が最良か」ということ。

ライブ風景を記念に残したい人も少なくないだろうし。そういう楽しみ方を全否定したいわけではない。
もちろん、自分のように反対派も一定数いるだろう。

その上で、結論として思ったのは次の2つ。

1. アーティストの意向次第

一つ目は、アーティストの意向を尊重する
アレコレ考えたけど、結局シンプルにそれに尽きると思う。

予想されるメリットやデメリットのアレコレより、「アーティスト自身がどうしたいか、どう楽しんで欲しいか」ではないだろうか。

今でも、一部撮影OKにしてる日本人アーティストやバンドがいる。
特定の曲間だけOKにしてる場合もある。

海外では基本OKとよく言われるけど、それだけだと何の理由にもなってないし、海外でもNGなアーティストもいる。

つまるところ、ケースバイケースな問題で。
デカいアリーナと小さなライブハウスでも全然話は違ってくる。

アーティスト側が何かしらの判断で撮影OKにするなら、それはそれで良い。
でも、アーティストの意に沿わないのに、それ以上に優先すべき事情はないだろう。
(撮影賛成派も「アーティストの意志関係なく解禁すべき」とは思ってないだろうけど)

果たしてアーティスト側の賛否の割合はどんな感じなんだろう?

↓最近見かけた、撮影自粛を訴えるシンガーソングライターの方の記事。
「ミュージシャンはフリー素材じゃない」という言葉がすごく印象的。

「演奏中の写真撮影について思うこと。 | Chano 」

反対に今年行ったハバナイのライブは撮影もSNSアップも全然不問という感じだった。
なので、バシバシ撮影されてても先のバンドの時ほど気にならなかった。

ただ、撮影可について周知されてるわけではなく。
明文化を求めるのもなんか違うなという気がするが、できればわかりやすく伝えてほしいところ。

自分は何にしても、個人のマナーに委ねるのは限界があって、システムとしてデザインした方が良いと考えている。
(そういう意味で、毎回開演前に「らしい」演出でNG事項を伝えるクロマニヨンズのライブはベストだと思う)

ともあれ、撮影の是非はアーティストによって考え方の差が大きい。
そもそも一律で線を引こうとすること自体、無理があるなと思った。

2. 撮影専用エリアを分ける

もう一つは、エリアを分ける

これも、すでに似たようなケースがあって、実現しやすい改善案ではないだろうか。
例えば、モッシュピットや、女性専用エリアを柵で区切ってるケース、など。

ライブで録音を許可した成功例として、アメリカのグレイトフル・デッドというバンドがいる。

当時アメリカではレコードの売り上げが下がるという心配から録音禁止だったが、グレイトフル・デッドは許可。

結果的にコアなファンを生んだり、ライブの売り上げに貢献。大きな利益に繋がったことは、マーケティングの世界で有名な逸話になっている。
(許可した理由は単に取り締まるのが面倒だったかららしいが)

そのグレイトフル・デッドのライブでは、録音専用のエリアを設置。
そこではプロさながらの機材で録音する観客達がズラッと並んでるという異様な光景が見られた。

同じように撮影OKの場合、専用のエリアを設ければ、許容派とNG派が共存しやすいんじゃないかと思う。

さいごに

グレイトフル・デッドの話を少し補足。
デッドはライブごとに曲のアレンジが変えていて、その音源とは異なるバリエーションの豊かさと演奏力が、録音可にしたことで広まり、結果的に売り上げに貢献したと考えられる。

要は何でもかんでも、録音可にすれば結果に繋がるという話ではなく。
撮影に関しても、どんな場合でもメリットが大きいわけではないだろう。

撮影苦手派としても、ぜひ慎重に検討してほしいところである。

この前実際にステージに向かってちらほらスマホが向けられている光景を見て思った。
これがもっと普通になって、電車の中みたいにみんながスマホ片手にステージを見るようになったら。
それがライブの当たり前になったらと。

なんだかそれは不気味で、やっぱり残念なことのように感じてしまって。
的外れな想像かもしれないけど、できればリアルな目の前の光景に集中する場であってほしいなと思う。

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