コントラストを上げつつ、彩度を抑えた画像補正

コントラストを上げつつ、彩度を抑えた画像補正

画像を補正する際、コントラストを上げてメリハリをつけることがよくあります。

その際、『明度ではメリハリをつけたいけど、彩度の変化は抑えたい』
という時に簡単に使えるテクニックです。

この記事の主旨についての補足

先に1点補足。上記のような補正をしたい場合、やはり精度の面では【トーンカーブ】や【レベル補正】の方が微調整しやすいかと思います。

つまり、この方法はどちらかというと『効率重視』の方法になります。
(もちろん、十分『使える』と思ったので取り上げてるわけですが)

具体的なサンプルと方法

では、本題に戻って。
具体的なケースがピンとこないかもしれないので、どんな場合を言っているのか、サンプルを基にもう一度説明します。

40-01

この画像のコントラストを上げたいと思った場合。
まずは効率重視なので、一番簡単な調整レイヤーの【明るさ・コントラスト】でコントラストを上げます。(コントラスト:0→65)

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全体的にメリハリがついて引き締まった印象になりました。
ただ、周りの暗さに対して被写体の赤が鮮やかすぎてちょっと不自然に感じるかもしれません。

『コントラストを上げると、彩度も意図した以上に高くなってしまう』、『明暗の差はつけたいけど、彩度は抑えたい』というのはそのような場合です。

そこで彩度だけ元の状態のものを反映するようにします。
方法は、こちらも簡単。描画モードの『輝度』を利用します。

調整レイヤーの描画モードを【通常】から【輝度】に変更。
(移動ツールが選択された状態でショートカットキーの『shift』+『ー』で一発で変えられる)

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これで、明暗に関してはメリハリがついたまま、彩度は元の画像のものが掛け合わされた状態になりました。

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(↑わかりやすいようにさらにコントラストを上げてます)

描画モード『輝度』

『輝度』はadobeの説明では『基本色の色相および彩度と、合成色の輝度を使用して、結果色を作成』となってます。

…いまいち理解しにくいですね。
他で色々検索しても理解しきれなかったんですが(特に調整レイヤーを『輝度』モードにした場合)、とりあえず、ここでは
【基本色(下の画像)の色相/彩度】と【合成色(上の調整レイヤー)の輝度】が掛け合わされた状態になる
という理解で良いと思います。

輝度というのはHSB色空間(色相・彩度・明度)の明度ではなく、Lab色空間での明度。

つまり、
コントラストを上げている(明度と彩度の差をつけている)調整レイヤーの明度の部分だけを反映し、彩度に関しては下の画像の元の彩度が反映している→結果的に彩度は抑えられる、ということですね。

まとめ

何より、二手間【コントラストを上げる→輝度モードにする】で済むのが大きなメリット。
特に業務だと大量に画像補正する機会があると思うので、一つの選択肢として引き出しにしまっておきたいテクニックです。

個人的には『コントラストを上げると同時に彩度が上がりすぎて、それは望ましくないこともある』という気づき自体も発見でした。
 
 
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