レトロフューチャーなエレクトロスウィングの名曲26選

エレクトロスウィングの魅力やオススメのアーティスト・曲を紹介する。

エレクトロスウィングというのは名前の通り、「スウィングジャズ」と「エレクトロ」を掛け合わせたジャンル。
特に厳密な定義はなく、「古典的なジャズと新しいエレクトロサウンドを融合した音楽」というざっくりした理解で問題ないだろう。

アーティストによって、エレクトロ寄り・ジャズ寄りの配分は違うし、エレクトロ要素がほぼなくてもこのジャンルに分類されてるアーティストもいる。

乱暴に言ってしまうと、ジャズのリバイヴァルとして「新しい感じと古めかしい感じ」が混じってるだけでそれっぽく感じる。

流行り的にはやや、というかだいぶ遅れてる感もあるが、個人的に長く聴き続けたいジャンルなので、流行に関わらずオススメしたい。

(アイキャッチ画像はコンピレーション「ELECTRO SWING」)

エレクトロスウィングの3つの特長

① MV、CDジャケット含め、レトロフューチャーなビジュアルの格好良さ

ビジュアル的なイメージの特徴を捉えたMVをひとつ挙げると、このジャンルの代表格 Caravan Palaceの「Suzy」。

ブリキのロボットに宇宙船。歯車、蓄音機、メカメカしい小物にネオン管。
他にもヴィンテージ感のあるモチーフが満載で、音楽性に通じるこのレトロフューチャーなテイストがエレクトロスイングの特徴のひとつ。

この世界観は「スチームパンク」というジャンルにも共通している。
なのでエレクトロスウィングはスチームパンク好きにもオススメ。

スチームパンクはSFジャンルの一つだが、そういった嗜好を元にしたスタイル全般も含まれることが多い。
エレクトロスウィングも一種のスチームパンクと言えるかもしれない。

アニメだと「スチームボーイ」や「ハウルの動く城」などが有名。
また、スチームパンク専門誌「スチームパンク東方研究所」なども刊行されている。

「Suzy」ほどそのままスチームパンク物の舞台になりそうなMVはあまりないが、ヴィンテージ感のあるモチーフで一種のリバイバルを図るというのは共通して見られるアプローチ。
他にもレトロな映画やアニメーションがMVによく取り入れられている。

② 楽曲のノリの良さと中毒性の高さ

音楽性としてはスイングジャズの軽快なメロディとリズムをエレクトロな打ち込みサウンドがさらにパワーアップさせているのが魅力。
エレクトロスウィングは「踊れるジャズ」とも形容される。

もちろんムードのある曲も多いけど、一番の魅力はノリの良さ。
主観的な好みもあるが、この記事では聴かせる曲ではなく楽しい曲中心に選んでいる。

「中毒性」に関して言うと、同じフレーズを繰り返すという特徴もある。
例えば、これもCaravan Palaceの曲で「Brotherswing」

③ カバー曲が豊富

古典的なジャズナンバーから最近のPOPSまで、様々な曲をエレクトロスウィングでカバーしているのも魅力のひとつ。
ジブリの楽曲をカバーしてるコンピレーションもあったりする。

2曲紹介すると、
The Grandmono Orchestraの「Bad Romance」(Lady GAGAのカバー)。
ヴォーカルはCaro Emeraldというオランダの女性jazzシンガー。

もう一曲。
Dreenの「Pippo non lo sa」(Trio Lescano e Silvana Fioresiのカバー)。
「Pippo non lo sa」は1939年に発表されたイタリアの古典的名曲。

特にオススメのアーティスト5組

個人的に特にオススメなアーティストを先に5組、その後13組の18組紹介する。

Caravan Palace

すでに2曲取り上げてるフランスの7人組エレクトロ・スイングバンド。

2008年に1stアルバム「Caravan Palace」でデビュー。
本国フランスの他、スイス、ベルギーでもチャートインし、日本のサイトでもよく名前を見かけるエレクトロスウィングを代表するバンド。

3rdアルバム「<|°_°|>」(←この顔文字がタイトル)から一曲、「Lone Digger」を。
MVからもわかるように、3rdでは全体的にジャズ寄りからエレクトロ寄りにシフトしている。

Parov Stelar

オーストリアのDJ。Parov Stelarはアーティスト名で本名はMarcus Füreder。
Parov Stelar trio名義でのアルバムもある。

2000年以前から活動しており、このジャンルのパイオニアとして挙げられるアーティストの一人。
音楽家としての資質、全体的な作品のクオリティでいうと、今回取り上げているアーティストの中でも群を抜いてると感じる。

Parov Stelarは本当に中毒性が高く、何時間でも延々リピートして聴き続けることもしばしば。

2010年の代表曲のひとつ。
「Booty Swing」

2017年リリース「The Burning Spider」の収録曲。
「Step Two (feat. Lilja Bloom)」

Stereo Swing

ハンガリーのエレクトロスイングバンド。
ボーカルはSzűcs Gabi。バンドのメンバーというわけではなく、ゲストで務めていると思われる。

Stereo Swingはコンピレーションではよく取り上げられてるが、知名度的には前の2組に比べるとグッと下がる。
それもあって個人的には一番強くオススメしたいバンド。

Parov Stelar以外で、一番聴き込んでいるのはStereo Swingの「We Wanna Swing Your World」。

「We Wanna〜」の中から2曲紹介。
「BIG CITY DANDY」

「Dancing Daddy」

Lyre le temps

出身はフランスで、フランス語のプロフィールしか見当たらなかったので詳細は不明。

曲的には王道的なエレクトロスウィングなんだけど、ビジュアル的には、ジャズっぽさは全くない。
そして、歌い方はラップ、HIPHOPの要素が強くて、加えて声質はパンキッシュ、というかなりごった煮感の強い異色ユニット。

特に↓の「Sweet Sugar Swing」はそうだけど、こんな吐き出すような歌い方をするエレクトロスイングは多分他にない。
あまり共感は得られない気もするが、無性に好きな曲だ。

TAPE FIVE

ドイツのアーティストでこちらも詳しいプロフィールは不明。
エレクトロスウィングのコンピレーションでよく見る名前で、ジャンルを代表するアーティストではある。

ただ、曲はエレクトロな感じはほぼなく、MVも純粋にレトロな印象。
モノクロ映画のような雰囲気で味があっていい。

視聴回数から言っても一番の代表曲は「Bad Boy Good Man」。

一番好きなのは「Far Far Away」。

エレクトロスウィング、オススメの13組

こちらも日本語の情報が少ないため、プロフィールは少なめ。
今回アーティスト情報を改めて確認してみたら本当に国籍が様々で、世界中に浸透しているジャンルなんだと再認識した。

「その他」扱いしてしまっているが、どれも名曲。
Caro EmeraldやAlice Francisなどエレクトロスウィングを代表するアーティストも少なくない。

Caro Emerald

オランダ、アムステルダム出身。2009年に「Back It Up」でデビュー。

Alice Francis

ポーランド出身。デビュー・アルバムは2013年の「St. James Ballroom」。

Dimie Cat

フランス出身。2009年「Pin Me Up」でデビュー。

IN-GRID

イタリア出身。デビューアルバムは2003年の「Rendez-vous」。

Tia Brazda

カナダ出身。2012年「Cabin Fever – EP」でデビュー。

Swingrowers

イタリア、シチリア出身の5人組。2012年「Swingrowers」でデビュー。

SWING REPUBLIC

デンマーク出身。Fito Bolaiというプロデューサー中心のユニット。
1stアルバムは2011年「Electro Swing Republic」。

Electric Swing Circus

イングランド、バーミンガム出身の7人組。ボーカルはVicki OliviaとLaura Oのツインボーカル。
デビューアルバムは2011年の「Penniless Optimist」 。

Federico Scavo & Barbara Tucker

トラックメイカー、Federico ScavoとヴォーカリストBarbara Tuckerのユニット。
二人ともジャンルとしてはクラブやエレクトロのアーティスト。

Intended Immigration

スイス出身のミュージシャン兼プロデューサーThomas Feurerを中心としたグループ。

DELADAP

「Made In Mexico」というアルバムに収録されてるだけあって、メキシカンな雰囲気のエレクトロスウィング。
動画の世界観がよくわからなくてシュール。真ん中下のおじさんが面白い。

GOODLUCK

いかにもこのジャンルらしい雰囲気だが、ところどころ戦場のシーンが挿入されているのが良くわからなく気になるMV。

The Sweet Life Society & Le Sorelle Marinetti

これも再生回数的にかなり上位にくる好きな曲。
「The Electro Swing Revolution, Vol. 4」というコンピに収録されている。

さいごに

さいごにエレクトロスウィングはコンピレーションがたくさん出ているのでオススメを3枚紹介。
ここで紹介したアーティストもたくさん収録されている。

「The Electro Swing Revolution vol.1〜」
これはシリーズで2017年現在、2016年の「vol.7」までリリースされている。

CDジャケットもザ・エレクトロスウィングという感じ。
このジャンルを知らなかった頃でも見かけたら思わず手に取ってしまうと思う。

どれもテイスト的には似た感じだが、特にvol.5が良い。

「NO.1 SWING CATS」
2013年リリースのコンピレーション。

「Best of Electro Swing!」
2017年リリース。似た名前のコンピがいくつかあるので注意。

ジャケットはイマイチかもしれないが、アルバムトータルの出来としては一番好きかもしれない。
amazonでなぜか見つけられなかったのでapple musicのみ。