ここ数年、Schroeder-Headz、jizue、sanovaといったJazzユニットの名前をよく見るようになって、ジャンルとしても人気が高まってるように感じます。

そこで、それらのジャンルが好きな人にオススメなShing02というMCとのコラボ曲をまとめました。

Jazzy HIPHOPも名前の通り、ジャンル的に近いので合わせて取り上げています。

Shing02と取り上げるジャンルについて

Shing02とは

[出典] SHING02 Official Site

Shing02は本名、安念 真吾(あんねん しんご)。1975年生まれで年齢は42歳(2018年時点)。
東京生まれで、15歳からアメリカ・カルフォルニアに移住。
日本語と英語でラップをするバイリンガルで、公式サイトでは「環太平洋を拠点に活動するMC / プロデューサー。」と紹介されています。

ソロ以外でも、様々なアーティストと活発にコラボしていて、ここで紹介するのもそういった作品です。

Jazz/Jazzy HIPHOPについて

JazzとJazzy HIPHOPの違いを簡単にすると「Jazzはバンド編成での演奏、Jazzy HIPHOPはJazzをサンプリングした曲」という理解で問題ないと思います。

なので、Jazz関連はバンド編成のアーティストとのコラボ、Jazzy HIPHOPはDJ/トラックメーカーとのコラボという形です。

あえて一括りにして紹介したのは、ムードのある「叙情的」なテイストが共通していて、Shing02ほど両ジャンルにハマってるMCはいないと思うので。

比較してというより、これらのジャンルでコラボしているMC自体ほぼいないんじゃないでしょうか。

その要因はおそらく単純に英語でラップができることが一つ。
英語は日本語よりも音節の連なりがシームレスで、意味が通じないという点でもより音楽的。
その点が、Jazzというジャンルに合っているように思います。

また、何よりShing02の声もどこか渇いていつつ、ウェットな叙情性を含んでいて、jazzyな楽曲にマッチしているからでしょう。

Jazzアーティストとのコラボ曲

Jazz 4組、Jazzy HIPHOP 6組の計10組、全部日本人とのコラボ作品を紹介します。
(エミ・マイヤーだけハーフで正確な国籍はわからない)

「Sleepin’ Bird」 Schroeder-Headz

Schroeder-Headz(シュローダーヘッズ)は渡辺シュンスケによるポスト・ジャズ・プロジェクト。
「Sleepin’ Bird」は同曲のインストの他、リミックスやMCとのコラボを収録したミニアルバム。

インストやremixも良いけど、Shing02のラップがのってるversionも良いです。

apple music未加入の場合は、こちらを。
LIVE音源ですが、フルで聴けます。

「惑青」 jizue

jizue(ジズー)は山田剛(ベース) /井上典政(ギター) / 片木希依(ピアノ) / 粉川心(ドラム)によるJAZZバンド。
「惑青」はアルバム『story(2016)』のラストを飾る曲で、シングルとしてもリリースされてます。

Schroeder-Headz同様、インストがメインの中「惑青」のみShing02のラップがのっているもの。
今回取り上げる曲の中でも珍しい日本語歌詞。

apple musicのjizueの再生回数ランキングを見ると人気は高くはないようですが、かなりの名曲だと思います。

jizueとは「真黒(シンクロ)」でもコラボ。

「Searching For feat. Shing02 and Sayulee」Ayumi Kato

作曲家、ピアニスト Ayumi Katoが2015年にリリースした『IMAGINARY LANDSCAPES』の収録曲。
あまり見かけない女性ボーカルとのコラボ曲。

「君に伝えたい」エミ・マイヤー

これはちょっとイレギュラーな紹介。
エミ・マイヤーもバイリンガルのJAZZシンガーで、この曲はshing02と共作したアルバム「パスポート(2010)」の中の一曲です。
どんな形で制作に関わってるかは確認できず、shing02のラップはのってません。

「湾曲」「Luv (sic) pt4」ではMCとしてコラボしているんですが、今のところオフィシャルな音源が見当たらなかったので、エミマイヤー単体の動画を載せときます。

ちなみにエミ・マイヤーのDJ OKAWARIとのコラボ曲「Midnight Train」はJazzy HIPHOPの中でもトップクラスで好きな一曲です。

Jazzy HIPHOPアーティストとのコラボ曲

「Luv (sic) pt2」 nujabes

nujabes(ヌジャベス)はジャンルを代表するトラックメーカー。
残念ながら2010年交通事故により36歳の若さで逝去されてます。

「Luv (sic) 」パート1 から6 まで制作され、2015年に全partを収録した「Luv(sic) Hexalogy」がリリース。

すべてのShing02のコラボ曲で一曲だけ選ぶとしたら、迷わず「Luv (sic) pt2」と即答できるくらい聴き込んだ一曲です。

「Zone of Zen」 Cradle Orchestra

Cradle Orchestra(クレイドル・オーケストラ)はDJ 瀬戸智樹と、DJ Chikaによるユニット。
「Zone of Zen」は2016年にリリースされた同名アルバムの収録曲。

アルバム「Zone of Zen」は個人的に2016年に最も聴いた一枚です。

「fuku」 i-dep

i-dep(アイ・デップ)はプロデューサー/DJ ナカムラヒロシによるソロプロジェクト。

「fuku」は東日本大震災を受けて、制作されたコラボレーション曲。
この曲はapple musicではなく、ぜひ動画で観てほしい作品。

「Young World」 DJ Deckstream

DJ Deckstream(DJ・デックストリーム)はm-floとの共作も多く、この曲にもVERBALが参加してます。
nujabesと同じく、2015年38歳のときに交通事故で亡くなられてます。

「All These Years」 Kenichiro Nishihara

「All These Years」はアルバム『Sincerely…(2016)』の収録曲で、MarterというMCも参加。
Kenichiro Nishiharaは別名義「ESNO(エスノ)」で高校時代のdaokoとコラボ曲「夕暮れパラレリズム」を制作しています。

「Aquatrium(2011)」 Chimp Beams

Chimp BeamsはNYを拠点に活動する日本人3人組みのダブバンド。
正確にはJazzy HIPHOPではないかもしれないけど、このまとめの主旨に合ってるので取り上げました。

「Aquatrium」は2011年にリリースされたEP。Chimp Beamsとは2012年にフルアルバム「Asdr」も制作してます。

さいごに

自分がShing02を知ったのは15年ほど前。
その時初めて聞いたリリックは「誰も知らない」という曲の「誰も知らない 知られちゃいけない Shing02」という「デビルマン」のアニソンをパロッたものでした。

それから15年、「これだけのアーティストとコラボしているのだから、そろそろもっと知られてもいいだろう」と思いつつ、この記事を書きました。

他にも本当にたくさんの作品があるので、気になった方はぜひ色々探してみてもらえたらと思います。