ガイドの基本と応用的な使い方

ガイドの基本と応用的な使い方

イラストレーターでガイドを引く方法です。
【基本的な2つの作成方法】と【周辺知識】、【応用的な作り方・使い方】を紹介します。

基本的な作り方

オブジェクトを配置する際などに目安するガイド。
フォトショップでは定規からドラッグするか、【表示→新規ガイド】で作成できます。

イラストレーターでは【新規ガイド】がなく、作成方法は次の2つ。

  • ルーラーガイド:『定規』からマウスでドラッグして作成
  • オブジェクトをガイドに変換:オブジェクトを作成し【ガイドを作成】をクリック

方法① ルーラーガイド:『定規』からマウスでドラッグして作成

定規からマウスで任意の位置までドラッグするとガイドを作成されます。

定規が表示されていなければ【表示→定規→定規を表示】(command(ctrl) + R)。
ガイドを選択して、コントロールパネルのX/Y座標で位置を調整できます。

座標の原点がどこかはCSのバージョンによって変わるので要確認。CS6では左上が原点。

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ガイドは普通のオブジェクトと同様、レイヤーが生成され、選択してコピペやoption(alt)を押しながらドラッグすることで複製できます。

そのため、2つ目以降のガイドを引く際は定規からではなく、アートボード上のガイドから複製した方が僅かですが楽かと思います。

また、コピーしたガイドは、別のドキュメントにペーストでき、座標も同じ状態で複製できます。

方法② オブジェクトをガイドに変換:オブジェクトを作成し【ガイドを作成】をクリック

長方形ツールや線ツールで作成したオブジェクトを変換してガイドを作成します。
線ツールが多いと思うので線ツールでの手順を説明。

【直線ツール】で線を作成

オブジェクトをガイドに変換するので、まずは元となるオブジェクトを作成。

①の線を選択し、任意の位置に移動

コントロールパネルのX座標、Y座標などで任意の位置に移動させます。

この際、注意点がひとつ。
【新規ドキュメント】作成の際、【新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合】にチェックを入れるか、入れないかで線の状態が変わってきます。

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基本的にチェックを入れない場合が多いと思いますが、その場合は特に問題ありません。

でも、チェックを入れている場合、かつ、線の太さを設定しているときちんと整数の座標を指定できません。

『線』を1pxに設定してると、線の中央(線のアウトライン)に指定した座標が合うので、任意の位置からズレてしまいます。

具体的には『0.5px』ずれ、例えば、Y座標を『30px』にしても『30.5px』になってしまいます。(その位置でガイドに変換するので、ガイドも30.5pxという微妙な位置になる)

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それを防ぐ場合、次のどれかの方法で線を作成します。

  • [線]の設定をナシにしてから(もしくは偶数にしてから)ガイド化する
  • 線を選択して個別に【変形】パネルのオプションの【ピクセルグリッドに整合】のチェックを外してから、整数を入力する
  • 最初から【新規ドキュメント】の【新規オブジェクトをピクセルグリッドに整合】をチェックなしで作成する

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線を選択した状態で【表示→ガイド→ガイドを作成】をクリック

【ガイドを作成】のショートカットは『command(Ctrl) + 5』。
ガイドをオブジェクトを戻すこともでき、ショートカットは『option(alt)+ command(Ctrl) + 5』。

線を予め複数作成し選択しておけば、同時に複数ガイドを作成できます。

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他にも長方形ツール、星、円ツールといった様々なオブジェクトをガイド化できますし、もちろんどんな形でもスナップはきちんと効きます

方法③ 応用的な作り方 ー オブジェクトの四辺に沿ってガイドを作成

②はオブジェクトのアウトラインに合わせてガイド化する方法。
③はオブジェクトの四辺に合わせてアートボードいっぱいにガイドを作る方法です。
(文章だけではイメージしにくいかもしれないので、下の画像を参照)

オブジェクトを作成

任意の大きさ・位置にオブジェクトを作成します。ここでは長方形ツールで作成。

【オブジェクト】→【パス】→【段組設定】をクリック

作成した長方形を選択した状態で【段組設定】パネルを開きます。
複合シェイプの場合は拡張後に、テキストの場合はアウトライン化に【段組設定】をします。

以下の設定でOKをクリック。

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すると、オブジェクトの四辺に沿ってアートボード外にまで伸びたパスが作成されます。
(緑の線が作成されたパス。)

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長方形のオブジェクトも残ってますが、不要なので削除します。

【表示→ガイド→ガイドを作成】をクリック

あとは方法②と同じく、線を選択した状態で【ガイドを作成】をクリックします。

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オブジェクトの四辺に沿った線で、アートボードの外側にまで伸びたガイドが作成されました。(無限にドキュメントいっぱいに伸びているわけではない)
ガイドを4回引くより、楽にガイドを作成できます。

応用的な使い方 ー 修正のための補助線として利用する

作成方法は②と同じオブジェクトのガイド化です。
これはこちらの記事で紹介されてました。

オブジェクトをコピーし、元のオブジェクトをガイド化。そのガイドを元にコピーしたオブジェクトを修正します。

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↓画像はこちらの記事で紹介した参考書のサンプルイラスト。
『【illustratorでイラスト制作を学ぶ】illustrator キャラクター制作の教科書』

Amebaでの記事ではアンカーポイントが多い場合に、それを減らす目的でこの方法を紹介しています。
ただ、それ以外にも普通に形を修正したい場合にも利用できますし、自分は主にその使い方で利用しています。

もちろん、イラストに限らず、様々なオブジェクトを修正する際に利用できるかと思います。

ガイドに関する周辺知識

ショートカットキー

ガイドに関するショートカットキー一覧

  • ガイドを表示・非表示:command(ctrl) + 『 ; 』
  • ガイドをロック:option(alt) + command + 『 ; 』
  • ガイドを作成:command + 『 5』
  • ガイドを解除:option + command + 『 5』

ガイドの色を変更

【環境設定】からガイドの色と線を自分の好みにカスタムできます。

自分は普段はデフォルトのままですが、全体的に水色系の配色にする場合はシアンでは見にくいので、そういう場合は見やすい色に変更すると良いと思います。

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さいごに

イラストレーターのガイドの作成方法と応用的な使い方の紹介でした。
『応用的な使い方(修正のための補助線として利用)』は、オブジェクトを調整する際に自分でもよく利用していて、おすすめです。

ガイド一つとっても、気をつける点や活用方法が色々あると感じ、改めてまとめてみました。
 
 
【その他イラレに関するTipsはコチラから】
『 +α テクニックまとめ イラストレーター編 ー目次ー』