2016年に読んだWeb制作の本 ーコーディング関連編

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その年に読んだ書籍の紹介です。
ジャンルはWP/RWD/HTML/CSS/jQueryとコーディング関連になります。

『WordPress ステップアップブック』 エビスコム

昨年は2013年ぶりにWPサイトをきちんと作ることになったので、2冊の参考書で復習しました。
1冊目が『WordPress ステップアップブック』 。

特筆すべき点は、データベースの状態を確認・説明しながらサンプルサイトを作成していくところ。
WPを利用するwebデザイナーには、(自分含め)おそらくデータベース周りの知識には乏しい方が多いです。

データベースの基本的な操作(作成/読み出し/更新/削除)自体馴染みがなく、バックエンド側の働きを感覚的につかみにくいところがあるかと思います。
つまりそれは、WordPress自体どういうものか理解しづらい、ということ。

この本は、データベースの状態を確認しながら進むので、『書いた記事やサイトの基本情報はどこに格納されるのか』『それを取り出すにはどうすればいいのか』という基本を押さえながらWPについて理解することができます。

既成のコードを切り張りして、『何がどうなったかわからないけど、とりあえずサンプルサイトが作れた』ではなく、『wordpessとはどういうものか』『自分が何をやったのか』をきちんと理解しながらWPサイトが作れます。

また、html5、css3、スマホ対応などの仕方など、近年のweb制作の潮流も踏まえた内容になっています。

『基礎からのWordPress』 高橋のり

『Webデザインレシピ』の高橋のりさんのWordPressの入門書。

こちらは昨年勉強し直すために購入したわけではなく、手に取るのも3回目。
さすがに基本的な部分は飛ばして、第4章あたりからやり直しました。

著者はブログで定評のある方だけあって、やはり説明が丁寧でわかりやすい。
『〜ステップアップブック』と通じるのは、表面的な知識に留まらず、根本的な仕組みを理解できるよう配慮して作られている点です。

例えば、『パンくずリストはWPカスタマイズのノウハウが詰まっている』とし、プラグインを使わず全ページのパンくずを出力するコードを詳しく解説してくれてます。

『プラグインを使って終わり。WPってこんなに簡単』で終わらせず、基本から理解して自分で応用できるようになってもらいたいという思いを随所から感じ取れます。

補足:WordPressの勉強の仕方

上記の2冊は入門書として良書だと思いますが、web制作の全くの初心者だとやはり難しいと思います。
HTML/CSSはもちろん、PHPなどのプログラミングの基本的な知識があった上で手に取るのが望ましいです。

上記の知識がある程度あったとしても、1、2回参考書を通読して思い通りにカスタムできるようになる、というのはおそらく難しいでしょう。
3年前、HTML/CSS/JSを習いたての自分がそうだったので。

どうやっても簡単とは言えない。その上で、ベターだと思うのは、

上にも書いた、『まずはプログラミングの基礎を勉強する(→だいたいのWPの参考書にはPHPの簡単な解説がのっているが、まずはPHPの参考書をやって、体系的にバックエンド側のプログラムの概要を掴む)』と、
これもすでに触れている『根本的なWordPressの仕組みを解説している参考書を選ぶ』です。

2つ目の説明のために名前を出すと、この参考書は正に真逆な印象でした。

『本格ビジネスサイトを作りながら学ぶ WordPressの教科書』

見本通りコードを書いていくとサイトができるのですが、進むごとに逆に自分が今何をやっているのかよくわからなくなっていました。

中級レベル以上の人が、『こういうこともできるのか』『こんなプラグイン/コードがあるのか』と参照するにはいいかもしれません。
高い評価も目にしたりするので、書店で自分に合ってるかどうか確認するのがいいでしょう。

あと、もちろんWPはバージョンごとに仕様が変更するので古い出版のものは避けたほうが無難です。

参考書でざっと全体的な知識を得たあとは自分の作りたいものを作って、わからないことを都度ネットで調べていくというのが常道かと思います。

『Web制作の現場で使うjQueryデザイン入門[改訂新版]』 西畑一馬

これも『ドーナツ本』と通称があるくらい定番ですね。
通読するのは2回目ですが、折に触れて参照しています。

『Web制作者のためのCSS設計の教科書』 谷 拓樹

『モダンなCSS』とはどういうものかを目を通しておきたくて購入。
今のところ、Sassなどに手を出すつもりはないし、そこまでシビアにCSSを書くことはないのですが。

それでも参考になるところ、実際のコーディングに取り入れられるポイントが多々あり、勉強になりました。

『これからの「標準」を学ぶ マルチデバイス対応サイト構築』 エ・ビスコム・テック・ラボ

マルチデバイス対応サイトを制作する際に、意識するポイントや取り入れるべき技術・知識を体系的に解説した参考書です。
特にいくつかのサンプルサイトを作りながら学んでいく、という形式ではありません。

【目次】

Chapter 1 マルチデバイス対応の指標
Chapter 2 ビューポートの設定
Chapter 3 デバイスに合ったページの用意
Chapter 4 デバイスの判別
Chapter 5 パーツのマルチデバイス対応
Chapter 6 画像の最適化
Chapter 7 Webページの高速化

『今のwebサイトの作り方』に必要な知識が適度なボリュームで見渡せるので、自分で制作はしないwebディレクターやweb担当者にも最適かと思います。

『HTML5/CSS3モダンコーディング』 吉田 真麻

この本もすごく良かったです。
内容紹介を出版社から引用すると。

HTML5/CSS3を使ってモダンなサイトを制作するためのコーディングテクニックをハンズオン形式で学ぶ書籍です。
現在主流なWebページのデザインスタイル、「スタンダードレイアウト」「グリッドレイアウト」「シングルページレイアウト」を適用した3つのサイトを作りながら、各スタイルの特徴や使い分け、コーディングテクニックを学びます。

ただ、これもhtml/cssを勉強する際、1冊目ではなく、2冊目以降で手に取るのが良いかと思います。

『はじめに』で著者自身も

断片的な知識によって部分的な修正や改変はできても、ページまるごとのデザインや自分の作りたいイメージを一から組み上げようとすると、どうすればいいかわからず手が動かなかった経験はありませんか?
この本はそういった方々のコーディングスキルを一段上のステージへ引き上げるためにあります。〜略〜
本書が脱レガシーブラウザ対応の第一歩を踏み出す手助けになればと願っています。

と書いているように、『一段目』ではなく、もう『一段上』のための本と設定しています。
実務を含めてコーディング経験はある程度あるけど、もう一歩進みたいという方に最適だと思います。

今主流のコーディング方法以外の部分でも、CSS3以前の各プロパティの基本も簡潔にまとめられていて良い復習になりました。

コードも本当に合理的で無駄がなく、美しさすら感じました。

第3章のサンプルサイトの『WORKS』部分のコーディングでは『こんなコーディングの仕方があるんだ』と目から鱗でした。
marginの知識は当然知っていても、それをこんな風に活用するんだ/できるんだ、と。

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コーディングは『創意工夫』が大事だと改めて実感させられました。
自分のようにある程度、コーディングができるという人の方が『スゴイ』と感心させられて勉強になると思います。

一点、残念に思ったのはデザイン面で疑問に思う箇所が散見されたことです。
(レベルが高い云々ではなく、デザインとして気になるということ。)

例えば、最初のサンプルサイトでも、
『NEWS』の見出しの背景と、『NEWS』の偶数番の各項目(テキスト)の背景が同じ点や、ブログ記事の日付を一番目立たせている配色、など、デザイン的な合理性や作り手の意図が見えない箇所があるのがちょっと気になりました。

と、最後にマイナスポイントを挙げましたが、コーディングの参考書としては文句なしにオススメしたい一冊です。